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こども・思春期

2017年11月13日掲載

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こども・思春期のお子さんに糖尿病があると、様々な面で制限を受けるのではないかと心配するかもしれません。しかし、糖尿病があっても、病気との付き合い方を知っていれば、糖尿病がないお子さんと同じように勉強したり、遊んだり、旅行したりできます。ここでは、こども・思春期に糖尿病と上手に付き合う方法についてお話しします。
お子さんや思春期の1型糖尿病については、1型糖尿病のページの「1型糖尿病と付き合っていく」もご一緒にご覧ください。

目次

■ 1型糖尿病の方

■ 2型糖尿病の方

■ 1型・2型共通 おとなへの準備

1型糖尿病の方

保育園(幼稚園)や学校での活動について

お子さんへ

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保育園(幼稚園)や学校での活動は、お友達と同じように勉強して遊んで、給食も一緒に食べることができます。体育の授業や学校行事にも参加できます。遊びの途中や体育の時間には、血糖値が低くなって気分が悪くなることがあるかもしれません。そのような時は、早めに先生に伝え、ブドウ糖を食べるようにしましょう。ブドウ糖はいつもポケットに入れておくと安心です。
部活動や課外授業などの前には、補食をしたり、前もってインスリンを調整するなどの工夫をすることで低血糖(詳しくは「低血糖」をご覧ください)を予防できます。

  • 補食は、二種類あります。
    ・すぐに血糖をあげたい場合は“ブドウ糖(炭水化物)”を食べます
    ・長い時間血糖をあげたいときには“炭水化物+たんぱく質・脂質”を食べます
     (牛乳やヨーグルト、ビスケットなどを組み合わせて)
  • 食事前に低血糖であればブドウ糖を摂ってすぐに食事をしたり、食事をした後にインスリンを打ったりすることもあります。
  • 食後や夜間に低血糖がおきた場合は基本的には血糖を長く保つ食品を摂りますが、インスリンの効果が切れてくる時間なのか、これから効いてくる時間なのかによっても補食の摂り方を工夫すると良いでしょう。
  • インスリンポンプを使っている場合は、基礎レートの設定を変更することもあります。(インスリンポンプについては「1型糖尿病の治療について」をご覧ください。)

インスリン注射や血糖測定は教室で行って構いませんが、どこで行うかは学校の先生と相談して決めましょう。お友達が興味を持って注射器に触ることがあるかもしれないので、その場合は保健室や職員室に置かせてもらうことをお勧めします。補食も合わせて置かせてもらうとよいでしょう。使用した針は缶やプラスチックケースなどに入れ、安全に家に持って帰るようにしましょう。

保護者の方へ   

糖尿病があっても、保育園(幼稚園)や学校での活動はお友達と同じように行えます。ただし、遠足、運動会、修学旅行など普段と違って体をたくさん動かす日は、インスリン量を減らしたり食べるものを工夫したりする必要があるため、前もって病院の先生に相談しておいてください。また、保育園(幼稚園)や学校に行く日は活動量が多くなるため、休みの日より血糖値が低くなる傾向があります。低血糖を予防するために、登校(登園)日と休日でインスリン量を調整する方法を知っておくと安心ですので、病院の先生と相談してください。小学生以下のお子さんは、低血糖の症状(詳しくは「低血糖の症状」をご覧ください)を自覚することがむずかしいことがあります。お子さんの低血糖症状の特徴を保育園(幼稚園)や学校の先生に伝え、低血糖への対処に協力を依頼しておきましょう。

保育園(幼稚園)や学校での友達との付き合いについて

お子さんへ

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お友達に自分の病気について何をどこまで伝えるか、お父さんやお母さん、学校の先生に相談しながらあらかじめ考えておきましょう。お友達とはどんな遊びも一緒にできます。ただし、インスリンポンプを使用していたり、低血糖の時にブドウ糖などの補食を食べたりするため、クラスのお友達が病気のことを知っている方が安心だと思います。

1型糖尿病の患者さんが集まるイベントやサマーキャンプなどが各地で開催されていますので、参加してみるのも良いかもしれません。1型糖尿病のお友達を作って、お話ししたり困りごとを相談したりすることもできます。イベントやキャンプの情報は病院の先生や看護師に聞いたり、日本糖尿病協会のホームページ(https://www.nittokyo.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=23)で確認することができます。

保護者の方へ 

お子さんが安全に学校生活を送るために、糖尿病のことを学校関係者に理解してもらうことは重要です。学校関係者への病気の説明は病院スタッフが協力できますので、困り事や心配事がある時には、相談しましょう。1型糖尿病の患者さんが集まるイベントに参加して、他の保護者の方たちとお話することもお勧めです。医師や看護師は、臨床心理士に相談できる機会をセッティングすることもできますので、もし悩みを聞いてほしいなどありましたら、主治医や看護師にご相談ください。

保育園(幼稚園)や学校での食事について

お子さんへ

1型糖尿病の方は基本的に食事の制限はありません。ただし食べる量とインスリンのバランスに気を配る必要があります。給食のおかわりは、あらかじめ献立表を確認して、何をどの程度まではおかわりして良いかをおうちで相談しておくと良いでしょう。保育園(幼稚園)のおやつはお友達と一緒にたべますが、おやつの内容と量を確かめておきます。

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成長期には必要な栄養をしっかり食べることが大切ですが、体重が増えすぎることのないよう食べすぎには注意しましょう。やせすぎや太りすぎが健康を損なう可能性があることは、糖尿病があってもなくても同じです。また、自分がどれくらい食べたら、いくつぐらい血糖値が上がるかの目安を見つけておきます。食事に含まれる炭水化物の量などによって、ご自分でインスリンの投与量を変更するカーボカウント(カーボカウントついて)という方法もあります。病院の主治医や管理栄養士に相談してみてください。

保護者の方へ

小児、思春期の1型糖尿病の患者さんのお食事は、活動と成長に必要なエネルギーをとること、栄養のバランスがとれていることが大切で、過度な食事制限は必要ありません。ですから、成長に必要な量の食事は食べて、栄養バランスに偏りがないようにしてください。
日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF:446KB)(外部サイトにリンクします)

おやつの時にもインスリン注射が必要な場合がありますので、食べる量や内容によってどれくらいのインスリン注射が必要か、主治医と相談してください。

成長にともなう変化について

お子さん・保護者の方へ

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思春期になると、糖尿病であってもなくても、こころもからだも変化します。からだの成長のためのホルモンがたくさん出ることで、血糖値が上がりやすくなり、インスリンの必要量が増えてきます。女の子は月経周期で排卵期に血糖値が高くなる傾向があり、血糖値が変動しやすくなります。これらの変化は、成長に伴いみんなが経験することですが、対応に困ることがあるかもしれません。困りごとや悩みは一人で抱え込まず、両親や主治医、看護師などにぜひ相談してください。一緒に考えて解決していきましょう。

将来のことについて

お子さんへ

みなさんは大きくなったら何になりたいですか。血糖コントロールをしっかり自分で管理することができていれば、今夢見ていることは、みなさんの努力次第でその可能性が広がっていきます。進学、就職、結婚、出産など、これから楽しみなことがたくさんあります。血糖コントロールをしながら、勉強やスポーツなどに励み、みなさんの夢の実現に向けてしっかり歩んでください。

また、今後の医療技術の進歩で、インスリン治療やIPS細胞再生医療も更に進化していくといわれています。そうした新しい治療を受けるためにも、合併症の予防も含めて医療機関への通院を継続しましょう。(1型糖尿病の先端治療については、こちらのページをご覧ください。

2型糖尿病の方

学校での活動について

お子さん・保護者の方へ

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糖尿病であっても、学校の活動に制限はありません。学校行事も全て参加できます。薬の内服やインスリン注射をしている方は、学校での薬の管理方法について担任の先生や保健の先生に相談しましょう。また、クラスのお友達に病気のことについて何をどこまで伝えるか、決めておきましょう。インスリン注射をしている場合は、お友達に治療について話しておいた方が、楽に学校生活を送れるようになると思います。どうしたらいいか分からなかったら、ご両親や担任の先生、保健の先生、主治医に相談してみるとよいでしょう。

学校での食事と運動について

お子さん・保護者の方へ

食べてはいけないものは基本的にはありませんが、肥満や肝機能障害などの合併症がある場合は、食事制限が必要になります。食べ物については、医師の指導に従ってください。食事は、成長に必要な栄養素をしっかり食べ、極端に減らすことのないようにしてください。年齢に応じたカロリーを摂るようにしましょう。おやつは1日80~160kcal程度を目安とし、だらだらと食べないことが重要です。ジュースは糖質を含まないものがお勧めです。
日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF:446KB)(外部にリンクします)

部活動や登下校、友達との遊びの時間などを用いて、できるだけからだを動かす習慣を作るといいでしょう。適度な筋肉をつける体づくりが、血糖コントロールに良い影響をもたらします。

主治医と決めた目標体重に近づけるようにすることが、食事と運動のバランスの目安になります。

将来のことについて

お子さん・保護者の方へ

学校生活と通院の両立は大変だと思いますが、心身が成長していくなかで、血糖コントロールのいい時もあれば、悪い時もあります。一喜一憂しないようにしましょう。

2型糖尿病は体重や食事に気を付けると血糖値が正常化して、薬を飲んだり、インスリン注射が不要となったりすることもあります。しかし、その後の生活習慣によっては血糖値が再び悪化することもあります。定期的に診察や血液検査を受けて自分の糖尿病の状態を常に知っておくことが、将来の合併症を予防するために重要です。通院を中断することのないようにしましょう。

1型・2型共通 おとなへの準備

お子さん・保護者の方へ

自立したおとなになるために、自分の体のことをよく知って、大切にしてあげましょう。それには、糖尿病の病気や治療についてよく学ぶことが重要です。また、きちんと受診を継続して、治療や検査についての新しい情報・正しい情報を知っておくことも大切です。

20歳になるまでは、糖尿病治療薬の処方を受けている場合に小児慢性特定疾患治療研究事業の医療費補助(外部にリンクします)を受けることができます。一方で、20歳の誕生日を過ぎると、医療保険の負担額に応じた医療費がかかるようになります。大人になるタイミングでの経済的な負担や、進学・就職のために保護者の方と離れて暮らすことが影響して、受診を中断したり治療がおろそかになったりする方もいます。保護者の方は、お子さんが成人した後も、お子さんの糖尿病の治療がうまくいっているか、時には気にかけてあげるとよいでしょう。
(「1型糖尿病と付き合っていく」のページも併せてご覧ください。)

参考文献

  • 小児・思春期1型糖尿病の診療ガイド 編・著 日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会
  • 小児・思春期糖尿病コンセンサスガイドライン 編・著 日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会

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