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1型糖尿病と付き合っていく

2016年5月10日掲載

目次


1型糖尿病と付き合っていく

まず、はじめに

必要なインスリン治療を継続すれば、1型糖尿病の方は、食事や運動などを厳しく制限することはありません(ただし、食べ過ぎや運動不足で生活習慣が乱れると、血糖値が高くなり、動脈硬化や合併症の発症につながることもあります)。
1型糖尿病の治療の目的は、良い血糖コントロールを続けることで、合併症になったり、合併症が進んできたりするのを防ぐことです。また、1型糖尿病と上手に付き合い、糖尿病が無い方と同じように日常生活を送ることです。
 

サポートチームをつくりましょう

治療に際しては、ご家族や周囲のサポートが大切です。
1型糖尿病は若い方に発症することも多く、お子さんの場合は、担任の先生や保健の先生との連携が必要となります。また、ご家族の理解とサポートが治療の励みになります。低血糖の時の対応法などは身近な方に知っておいてもらいましょう。

1型糖尿病の情報交換

1型糖尿病の方の支援を目的とした地域の取り組みとして、1型糖尿病患者会や小児糖尿病サマーキャンプなどがあり、同じ病気をもった仲間と語り合うことができます。かかりつけの医療機関のサポートとともに、こうしたサポートも積極的に活用しましょう。


1型糖尿病・インスリン依存状態の患者と家族の支援団体
日本IDDMネットワーク ウェブサイトのご紹介
http://japan-iddm.net/(外部サイトにリンクします)

お子さんや思春期の1型糖尿病

日本のこどもの1型糖尿病の発症率

0-14歳の日本人では、1年間で10万人当たり2.4人が1型糖尿病を発症すると言われています。この数は、世界的にみると少数で、例えば、フィンランドの57.6人と比べると、かなり少ない数字です。遺伝や環境などの背景の違いが影響していると言われています。

「ぼく」や「わたし」のサポートチームをつくりましょう

担当の先生、医療スタッフはもちろん、ご家族やお友達、学校の先生も協力してもらいサポートチームをつくることが大切です。
大きくなるにつれて自分のことは自分でできるようになることは、成長のために大事なことです。一方で、糖尿病のあるなしにかかわらず、人はみんな、ひとりで抱え込むより、周りの方の協力があった方が良い場合もあります。からだやこころの成長に従って、1型糖尿病との付き合い方は変化します。長い人生のあいだで時や場所が変わっても、「ぼく」や「わたし」を応援してくれるサポートチームを作っていきましょう。
学校や地域を超えて、同じ病気を持った仲間と交流をもつことができる、小児糖尿病サマーキャンプなどもあります。(日本糖尿病協会(外部サイトにリンクします)のサイト内では、各地域のサマーキャンプのお知らせを紹介しています。)

小児の医療費補助のこと

小児糖尿病は、薬物療法を行っている場合のみ、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象となります。詳しくは、最寄りの保健所までお問合せください。

保育園や学校で

担当医や医療スタッフと相談しながら、担任の先生・保健の先生などと連携をとりましょう。
  • インスリンをいつ、どのように注射するか相談しておきましょう(教室、保健室など)。
  • 低血糖の対応方法について話し合っておきましょう。
  • 保健室にブドウ糖やグルカゴン注射を置かせてもらう、使用法を確認しておくなど、予め準備をしておきましょう。
  • 体育や部活動、課外活動など、からだを動かす場合の対応を相談しておきましょう。低血糖を予防するために、事前にインスリンの単位を減量したり、補食(おやつ)を食べたりします。
  • 補食(おやつ)に何を食べるか、どこへ置いておくか、決めておきましょう。
  • 1型糖尿病について、お友達に何をどこまで話すか、決めておきましょう。

1型糖尿病のお子さんの食事と運動のこと

担当医や管理栄養士、その他の医療スタッフと相談しながら、食事や運動について相談しておきましょう。
  • 1型糖尿病のお子さんは、食事制限は必要ありません。
  • 健やかに成長するために、好き嫌いをせず、バランス良く、必要十分なエネルギーを摂りましょう。(日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF:446KB)
  • 良い血糖コントロールを維持し、重症低血糖を起こさないように、インスリン療法の内容や補食などを調整することが大切です。
  • 食後の血糖上昇と、インスリン注射のバランスをとる方法のひとつとして、カーボカウントがあります。
  • 進行した合併症がなく、血糖コントロールが落ち着いている場合は、どんな運動をしても大丈夫です。ただし、低血糖には気を付けましょう。
  • 食事やおやつでどれくらい血糖値が上がるか、運動やインスリンで血糖値どれくらい下がるか、目安を付けましょう。大きくなるにつれて、治療を自分の生活に合わせていく練習をしましょう。

 からだやこころの成長に伴って

思春期になるにつれて、糖尿病があるお子さんも、そうでないお子さんも、からだやこころが変化します。そして、どのように生きるべきか、悩む時期でもあります。また、思春期に特有のからだの変化が、血糖値を悪くする可能性もあります。
  • 思春期には、成長とともにホルモンが変動し、インスリンが効きづらくなります(インスリン抵抗性)。そのため、体重1kgあたりのインスリン使用量が多くなります。
  • 月経周期が血糖値に影響することがあります。

1型糖尿病があっても進学や就職、結婚、出産を経験し、糖尿病が無い方と変わりない生活を送ることは可能です。そのために、1型糖尿病という個性をもった自分自身、家族、社会とどのように付き合っていくのがよいか、時間をかけて考えていきましょう。

働き盛りの1型糖尿病の方へ

1型糖尿病をお持ちの方でも、普通に就職し、仕事をすることができます。
どんな仕事も責任が伴いますから、1型糖尿病と付き合っていくのに大変な時があります。
例えば、仕事や時間に追われると、
 ついインスリンを適切な時間に打てなかったり
 血糖測定ができなかったり
 外食が多くなってしまったり
その他にも、からだを動かす仕事、試食が多い仕事、夜勤があったり、しめきり前には夜更かしをしなければならないなど、その時の状況で生活が乱れることもあります。

仕事をしているあなたも、1型糖尿病のあなたも、どちらも大切なあなた自身です。上手に1型糖尿病と付き合っていくために、少しずつ工夫をしていきましょう。
  • 職場の一部の方に、1型糖尿病のことを伝えておくと、インスリンの注射や血糖測定などをしやすく、スムーズに治療を継続することができます。
  • 食事とインスリン注射のタイミングをきちんと合わせる事、日々の血糖値をモニタリングして食事やインスリン量を振り返ることは、ささやかなことですが、血糖値の変動を小さくするのにとても重要です。
  • からだを動かす仕事の方は、どんな時に血糖値が下がりやすいか確認しておきましょう。自分にとってちょうどいいインスリンの量や、補食の量・タイミングをみつけます。

医師や医療スタッフ、ご家族や職場の方とも相談しながら、上手な対処法を考えていきましょう。

妊娠・出産を考えている1型糖尿病の方へ

1型糖尿病の女性の方でも、結婚して妊娠・出産をされている方は多くいます。
ただし、合併症がすすんでいたり、血糖コントロールが悪かったりすると、お母さんや赤ちゃんに負担がかかってしまいます。計画的な妊娠と、よい血糖コントロールが大切になります。    

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妊娠前として望ましい管理

血糖コントロール HbA1c7.0%未満
網膜症 単純網膜症までは妊娠を避けなくてもよい
妊娠中に悪化することもあるため、重症の場合は眼科医と相談が必要です。
腎症 腎症2期まで
腎症がある場合は、妊娠中に悪化することがある。一過性で出産後改善することもありますが、注意する必要があります。
その他 妊娠中使用するのに適したインスリン製剤の種類や、中止した方がよい飲み薬があります。
1型糖尿病では、甲状腺疾患を合併することが多いと言われます。妊娠をきっかけに病状が進んだりすることがあるため、注意が必要です。
妊娠・出産を考える方はきちんとインスリン治療を行うこと、食事・運動をバランスよく行い、HbA1c<7.0%未満にしておくと良いとされています。
このような合併症の管理や、使用できる薬剤の相談も含め、妊娠を希望する場合は事前に担当医と相談しましょう。

血糖コントロールが悪い時に起こりうるお母さんと赤ちゃんの合併症

お母さんの合併症 赤ちゃんの合併症
1)糖尿病合併症
 糖尿病ケトアシドーシス
 糖尿病網膜症の悪化
 糖尿病腎症の悪化
 低血糖(インスリン使用時)
2)産科合併症
 流産
 早産症
 妊娠高血圧症候群
 羊水過多(症)
 巨大時に基づく難産
1)周産期合併症
 胎児仮死・胎児死亡
 先天奇形
 巨大児
 肩甲難産による分娩障害
 新生児低血糖症
 新生児高ビリルビン血症
 新生児低カルシウム血症
 新生児多血症
 新生児呼吸窮迫症候群
 肥大型心筋症
 胎児発育遅延
2)成長期合併症
 肥満・耐糖能異常・糖尿病
お母さんの高血糖は、母体や赤ちゃんに影響を及ぼします。よりよい管理を目指しましょう。

妊娠中の血糖コントロール

コウノトリ妊娠中は、望ましい血糖コントロールにするために、インスリン注射や食事の工夫が必要です。

  • インスリン製剤には妊娠中に使用できるものと、そうではないものがあります。多くの場合は妊娠前から、妊娠に適したインスリン注射を使います。
  • インスリンポンプや持続血糖測定器を使用して、血糖値を詳細に確認しながら細やかな血糖管理を行うことがあります。
  • 食事は適切なエネルギー摂取や栄養バランスを心がけます。肥満がある方は、エネルギー制限をする場合があります。一回の食事で食後の血糖値が高くなってしまう場合は、食事を分割して少量ずつ食べる工夫をします。
  • 妊娠後期になるに従って必要なカロリー量が増えますので、担当の先生や管理栄養士と相談しながら食事をコントロールしましょう。
  • 妊娠後期になるにつれ、胎盤ホルモンの関係でインスリンの使用量は増えていきます。食事や血糖の記録をつけ、担当医と相談しながら血糖管理をしていきましょう。

出産とその後

赤ちゃんが大きくなりすぎてしまう巨大児の場合や、お母さんの合併症が重度な場合は、お母さんや赤ちゃんを守るために、帝王切開が選択されることもあります。
出産後、インスリンの必要量は速やかに減ります。授乳によりさらに低下することがあるため、出産後も注意深く血糖管理を行うことが大切です。
合併症をお持ちの方も、引き続き担当医とよく相談しながら管理していきましょう。

1型糖尿病の患者さんのご家族へ

大切な人や、お子さんが1型糖尿病になってしまったとき、
 それはなにかの間違いだ、と病気を受け入れられなかったり
 なんとかして病気を治したいと思うあまり、病院での医療が信頼できなくなる
 人生を悲観してしまう
 1型糖尿病になった家族を受け入れ難くなってしまう 
など、さまざまな気持ちをもたれることがあるかもしれません。

病気になったのは、ご本人のせいでもご家族のせいでもなく、困難な状況を受け入れるのは大変なことです。

そんな時は、ぜひ1型糖尿病のことを良く知ってください。
1型糖尿病の方で、上手に病気とつき合い、生き生きと人生を送っている方はたくさんいます。他の1型糖尿病の患者さんやご家族から、病気の付き合い方の工夫を教えていただきましょう。

1型糖尿病の原因についてはまだわからないことがあり、治療法は新しい技術の開発により変化していきますが、現在の医学ではインスリンの治療が必須です。どうか間違った知識、間違った治療法で必要な治療を中断することだけはやめてください。
ご家族をサポートして共に豊かな人生を歩めるよう、理解を深めていきましょう。

参考文献

  • 日本糖尿病学会 編 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013第3刷 南光堂 2014
  • IDF Diabetes Atlas 2013 Sixth edition

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