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1型糖尿病ってどんな病気?

2016年5月9日掲載改訂:2022年1月14日

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ここでは、1型糖尿病がどのような病気かを伝えします。
1型糖尿病の治療について」も合わせてご覧ください。

目次

1型糖尿病とは

1型糖尿病は、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞:べーたさいぼう)が、壊されてしまう病気です。β細胞からインスリンがほとんど出なくなることが多く、1型糖尿病と診断されたら、治療にインスリン製剤を使います。
世界的には糖尿病全体の約5%が1型糖尿病と言われています。若い方を中心に幅広い年齢で発症し、生活習慣が関わる2型糖尿病とは、原因、治療が大きく異なります。

1型糖尿病の原因

糖尿病とはインスリンの働きが悪くなることによって血糖値が上昇してしまう病気であり、その原因によっていくつかの型に分類されます。(糖尿病ってどんな種類があるの?
膵臓でインスリンを作っているβ細胞が壊されて、インスリンを出す力が弱まったり、インスリンが出なくなったりするのが1型糖尿病です。(インスリン分泌不足、「インスリンが十分に働かない」ってどういうこと?)からだのインスリンが不足しているので、インスリン注射の治療が必要となります。

1型糖尿病でβ細胞が壊される原因はよくわかっていません。
ひとつには、免疫反応が正しく働かないことで、自分の細胞を攻撃してしまうこと、つまり「自己免疫」が関わっていると考えられています。自己免疫が起きている証拠のひとつである自己抗体(抗GAD抗体・IA-2抗体など)の血液検査は、1型糖尿病の診断の際に用いられます。


1型糖尿病の種類

1型糖尿病では、β細胞の破壊は一般的には進行性です。病気が進んでいくと、インスリンがほとんど出せない状態となります。生きていくために注射でインスリンを補う治療が必須となり、この様な状態をインスリン依存状態と言います。1型糖尿病はその進行のスピードによって、「劇症」「急性発症」「緩徐進行」に分類されます。

劇症1型糖尿病
最も急激に発症し、1週間前後でインスリン依存状態に至るタイプです。すぐにインスリンを補充する治療がなされなければ「糖尿病ケトアシドーシス(糖尿病の急性合併症)」となり重い状態になることもあるため、早い段階での診断が重要です。
自己抗体は血液検査で認めないことが多いです。発見される時点での血糖値は高いですが、発症が急激であるので、月単位で徐々に上昇する血糖の指標であるHbA1cは低めであることも特徴です。
急性発症1型糖尿病
1型糖尿病で最も頻度の高い典型的なタイプで、糖尿病の症状が出はじめてから数ヶ月でインスリン依存状態になります。発症した後に、一時的に残っている自分のインスリンの効果が改善する時期(ハネムーン期)がある患者さんもいますが、その後は再びインスリン治療が必要となります。血液検査で自己抗体を認めることが多いです。
緩徐進行(かんじょしんこう)1型糖尿病
半年~数年かけてゆっくりとインスリン分泌が低下していくタイプです。初めは2型糖尿病のようにインスリン注射を使わなくても血糖値を抑えることが可能ですが、経過中の血液検査で自己抗体が検出され、実は緩徐進行1型糖尿病だったと分かることもあります。検査でこのタイプの可能性がある場合には、膵臓に負担をかけるような内服薬は推奨されず、インスリン治療などで膵臓を保護する治療を開始することが望ましいといわれています。

参考文献

糖尿病診療ガイドライン2019:編・著 日本糖尿病学会

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