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働く世代と糖尿病

2017年6月29日掲載

働くことはお金を得るだけでなく、社会とのかかわりを持つ、自分らしい生き方を実現する、社会貢献をするという点においても重要なことです。

それは糖尿病の方にとっても同じです。

「働く世代」が糖尿病と言われた場合、どうしたらよいのでしょうか。
(1型糖尿病の方は、働き盛りの1型糖尿病の方へ、も合わせてご覧ください。)

目次

就職にあたって

8-1-1-0102血糖コントロールが良好に保たれていれば、職業選択の幅はとても大きいものとなります。実際、糖尿病がありながら、プロのスポーツ選手や一国の首相になる人もいます。

原則として、糖尿病があることを理由で職業が制限されることはありません。雇い主の立場からすると、原則的に、糖尿病があるだけで就職を拒否してはいけません。

ただし、職業・業務内容によっては、就職できないこともあります。特に、以下の場合は注意が必要です。

  1. 血糖コントロールが良好でない場合
  2. 重度な合併症をもつ場合
  3. 薬物療法をしている方で、低血糖の起こるおそれがある場合、特に、「無自覚性低血糖」の可能性がある場合
  4. 糖尿病の重い合併症をお持ちの場合

このような場合、意識を失って本人や周りの人に危険が起きる可能性があり、就職できないケースもあります。雇い主には従業員の安全と健康に配慮する義務があり、また業務上で人を傷つけないように注意する義務があるからです。公共交通機関の運転手や飛行機のパイロット、高所での作業を伴う職業、潜水士などがその例です。

就職にあたっては、就職先の状況について情報を集めた上で、上記の視点からご自分が業務を支障なく行うことができるかどうか検討することが重要です。また、採用前に糖尿病であることを伝えるか否かは、よく考える必要があります。自分の体調が崩れることで自分や他人が傷つく可能性のある業務の場合は、糖尿病の状態(インスリンの使用、低血糖の頻度など)によっては伝える方がよいかもしれません。一方で、低血糖になる可能性の少ない治療中で、業務も事務職などの場合は、糖尿病が業務に与える影響はほとんどないと考えて伝える必要はないかもしれません。

入職後は血糖や尿糖の測定を含めた健康診断を行うことが雇い主に義務付けられています。その結果、本人の健康確保や他人の安全のために必要な場合は、産業医が職場変更などの勧告を出し、それに伴って業務が変更になる場合もあります。

働く中で気をつけること

働き盛りの患者さんは、多忙な仕事と並行して、食事療法や運動療法、薬物療法などの自己管理を続ける必要があります。そのため、初めて糖尿病と言われた方や、血糖コントロールが悪くなった方、治療法が変わった方などは、仕事と治療をうまくやっていけるか、不安に思われるかもしれません。働く上での注意点や工夫を考えてみましょう。

通院を続けましょう

8-1-1-03多くの糖尿病患者さんは、定期的に通院して治療を続けています。多くの病院や診療所は平日の日中が診療時間となっていて、受診を続けることが難しいと感じることがあるかもしれません。しかし、受診が中断すると薬が途切れることになってしまったり、血糖コントロールや合併症の状態がわからないまま病状が悪化してしまったりする可能性があります。

医師や看護師と、受診しやすい日時や受診間隔についてよく相談しましょう。また、業務内容や仕事のスケジュールについても共有して、ご本人の生活に合った、負担の少ない治療にするように相談しましょう。

場合によっては、主治医と産業医が連絡を取り合って、適切な業務内容や糖尿病の自己管理について相談することもあります。

産業医や保健師に相談しましょう

8-1-1-04産業医や産業保健師は、ご自分の病気の状態と仕事との折り合いをつける上で、よい相談相手になります。仕事をやっていく上での健康管理については、これらの方と相談するのもよい方法でしょう。

産業医は、前述のように本人の健康確保や他人の安全のために必要な場合には、職場変更や深夜業務の禁止などの勧告を出すことがあります。健康診断の結果で血糖値が高かった場合の相談や、職場の上司や同僚との調整役を果たしてくれることもあります。

産業医や産業保健師がいない職場の場合には、主治医や看護師と相談しましょう。

職場の中に支援者をみつけましょう

8-1-1-05糖尿病の状態によっては、職場の信頼できる方に糖尿病のことを伝えておくことをお勧めします。特に、低血糖のおそれのある方は、身近な人に糖尿病や低血糖について理解してもらい、いざというときに対処してもらえると安心です。

長期にわたり糖尿病を治療する上では、血糖コントロールが付きにくい時期もあるでしょう。そのような時に、生活が不規則となりやすい残業や出張を一時的に調整出来るよう上司や同僚と相談できるとすれば、それはとても助かることです。

また、職場の実情や業務内容を考慮し、糖尿病の病状や治療が業務に支障がある場合は職場の方とよく相談しましょう。

職場での血糖コントロールの工夫

職場での食事量やタイミング、運動の頻度や、糖尿病の薬を使用するタイミングなどを時々振り返りましょう。主治医と相談して、仕事の状況に合った方法を考えます。

食前に使用する糖尿病の飲み薬やインスリンを使用している方は、食事の量や薬のタイミングに気をつけることが血糖値の変動を小さくするのにとても重要です。また、からだを動かす仕事の方は、どんな時に血糖値が下がりやすいか確認しておきましょう。

インスリンで治療をされている方の場合は、職場の一部の方に、ご自分の糖尿病のことを伝えておくと、インスリンの注射や血糖測定などをしやすくスムーズに治療を継続することができます。

職場の付き合い・接待などでの工夫

飲み会や会合の場面での食事や飲酒の仕方に悩んでいる方も多いようです。アルコールは適量に留めることが原則ですが(血糖コントロールが悪い場合や肝疾患など合併症のある場合には禁酒を指示されることもあります)、勧められたお酒を断ると、その場の雰囲気が悪くなってしまうと考えて無理される方もいるでしょう。

お酒を無理に強要してはいけないのは当然のことですが、いざお酒を勧められた時に断ることのできるスタンスを持っておきましょう。

8-1-1-06お酒の断り方のポイント

  1. 医者にアルコール制限されていると話す
  2. 飲ませる人のそばに出来るだけ近寄らない
  3. お酒を注ぐ係に徹する
  4. 車で来ている、車に乗る予定があると言う

家族や会社、周囲のサポート

サポートしてくれる家族・知人を見つけましょう

8-1-1-07一人では挫けそうな時でも、協力し支えてくれる家族や仲間がいれば、乗り切れることが沢山あります。

糖尿病の治療でとても重要な「食事」。糖尿病食は健康食でもあります。患者さん一人でなく家族や友人の生活習慣を見直すきっかけにもなります。

一人では続けられない運動も、一緒に運動を行ってくれる仲間がいれば楽しくなり、長く継続することが出来るでしょう。


参考文献

「糖尿病治療ガイド2016-2017」日本糖尿病学会編 文光堂
「糖尿病に克つ生活読本」相磯嘉孝 主婦と生活社
プラクティス32巻3号 2015 医歯薬出版株式会社

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