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妊娠と糖尿病

2017年2月6日掲載2021年3月31日改訂版掲載

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お母さんの血糖値が高いと、赤ちゃんやお母さんのからだに負担がかかるといわれています。
妊娠をすると、糖尿病がある方もそうでない方も血糖値が高くなりやすいので注意が必要です。

ここでは、妊娠中の高血糖とその管理についてのはなしをします。

目次

妊娠中の糖代謝異常はどんな種類があるの?

妊娠すると、胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリン抵抗性が強くなります(「インスリンが十分に働かない」ってどういうこと?)。

それは妊娠後期になるにつれて強くなり、血糖を正常に保つために必要なインスリンの量が増えていきます。 妊娠中の糖代謝異常には、妊娠前から糖尿病がある方の糖尿病合併妊娠と、妊娠中に初めて発見される糖代謝異常の2種類があります。

さらに、後者の妊娠中に初めて発見される糖代謝異常には、正常よりも血糖値が高いが糖尿病と診断するほどには高くない場合(妊娠糖尿病:GDM)と、糖尿病の診断基準を満たすことが妊娠中に判明した場合(妊娠中の明らかな糖尿病)の2つに分かれます。

また、ごくまれに妊娠中に1型糖尿病を発症する方もいます。

妊娠糖尿病・妊娠中の明らかな糖尿病・糖尿病合併妊娠

表1:診断基準
(1)妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus(GDM)
75g経口ブドウ糖負荷試験において次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
 ①空腹時血糖値≧92mg/dL
 ②1時間値≧180mg/dL
 ③2時間値≧153mg/dL
(2)妊娠中の明らかな糖尿病 overt diabetes in pregnancy(注1)
以下のいずれかを満たした場合に診断する。
 ①空腹時血糖値≧126mg/dL
 ②HbA1c値≧6.5%
*随時血糖値≧200mg/dLあるいは75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間値≧200mg/dLの場合は、妊娠中の明らかな糖尿病の存在を念頭に置き、①または②の基準を満たすかどうか確認する。(注2)
(3)糖尿病合併妊娠 pregestational diabetes mellitus
 ①妊娠前にすでに診断されている糖尿病
 ②確実な糖尿病網膜症があるもの

注1)妊娠中の明らかな糖尿病には、妊娠前に見逃されていた糖尿病と、妊娠中の糖代謝の変化の影響を受けた糖代謝異常、および妊娠中に発症した1型糖尿病が含まれる。いずれも分娩後は診断の再確認が必要である。

注2)妊娠中、特に妊娠後期は妊娠による生理的なインスリン抵抗性の増大を反映して糖負荷後血糖値は非妊娠時よりも高値を示す。そのため、随時血糖値や75g経口ブドウ糖負荷試験後血糖値は非妊娠時の糖尿病診断基準をそのまま当てはめることはできない。
これらは妊娠中の基準であり、出産後は改めて非妊娠時の「糖尿病の診断基準」に基づき再評価することが必要である。

(日本糖尿病・妊娠学会と日本糖尿病学会との合同委員会:妊娠中の糖代謝異常と診断基準の統一化について. 糖尿病 58: 802, 2015)
(日本糖尿病学会 編著:糖尿病治療ガイド2020-2021. 文光堂, 2020より一部改変)

劇症1型糖尿病

ごくまれですが、妊娠に関連して発症する糖尿病に劇症1型糖尿病があります。劇症1型糖尿病は、膵臓にあるβ細胞が急速に破壊されることで急激に血糖値が高くなり、ケトーシスあるいはケトアシドーシス(糖尿病ケトアシドーシス)をきたします。お母さんと赤ちゃんにとって致命的となることもあります。そのため、妊娠中や出産後などにとても喉が渇いて水分を多量に飲む、多量に尿が出るなどの高血糖に伴う症状のほか、悪心、嘔吐、腹痛などのケトーシスに伴う症状を認めたときは、劇症1型糖尿病を念頭に置いて検査を行う必要があります。
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妊娠前として望ましい血糖管理

糖尿病がある女性が妊娠を希望する場合は、事前に血糖を十分に管理した上で計画的に妊娠することが望ましいとされています。
以下の管理目標を参考にしてください。

表2:妊娠前の管理
血糖コントロール HbA1c 6.5%未満が推奨されています。
妊娠前の薬物療法 メトホルミンについて有用性を示す報告があるものの、児の長期的な安全性に関するデータが不足しています。その他の経口糖尿病薬やGLP-1受容体作動薬を妊娠前から使用することについては安全性が確立されていません。
糖尿病合併妊娠の管理にはインスリンによる治療が望ましく、妊娠前からインスリン治療を行うことが推奨されています。
網膜症 妊娠前に糖尿病網膜症が進行していると、妊娠中に悪化することもあるため、重症の場合は眼科医と相談が必要です。
腎症 腎症がある場合は、妊娠中に悪化することがあります。妊娠前からの厳重な管理が必要です。
その他 高血圧や脂質異常症の治療を行っている糖尿病の方は多いですが、これらの治療薬の中にも妊娠希望する場合に中止を考慮したほうがよい薬があります。
1型糖尿病では、甲状腺疾患を合併することが多いといわれています。
妊娠をきっかけに病状が進むことがあるため、注意が必要です。
(日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2019. 南江堂, pp.288-289, 2019を参考に作表)

妊娠・出産を考える方はきちんと糖尿病の治療を行い(具体的にはバランスのよい食事・運動と、必要な場合は糖尿病治療薬の使用を考慮する)、HbA1cを6.5%未満にしておくとよいとされています。
合併症がある場合は、妊娠により悪化する可能性もあります。合併症の管理や、使用できる薬の相談も含め、糖尿病があり妊娠を希望する方は事前に主治医と相談しましょう。

妊娠中の血糖コントロール

もともと糖尿病がある方や、妊娠中に妊娠糖尿病(GDM)と言われた方は、赤ちゃんやお母さんが安全に妊娠を継続し出産するために、血糖を可能な限り正常に保つ必要があります。これは、お母さんの高血糖が胎盤を通じて赤ちゃんに伝わり、過剰に栄養を受け取ってしまうために巨大児になってしまうなど、赤ちゃんにもお母さんにも妊娠・出産に特有の合併症を引き起こす可能性があるからです。そのため、望ましい血糖コントロールを目指して、妊娠中に食事の工夫やインスリン注射が必要になることがあります。

表3:お母さんの血糖コントロール目標値
  日本糖尿病学会
空腹時血糖値 95mg/dL未満 注1)
食後血糖値 食後1時間値 140mg/dL未満
または
食後2時間値 120mg/dL未満
HbA1c(%) 6.0~6.5%未満 注2)

注1)無自覚低血糖例など重症低血糖のリスクが高い症例では、さまざまな時間帯で血糖測定を行うことや、目標血糖値を緩めることも考慮する。

注2)母体の鉄代謝の影響を受ける点に留意する。そのため、血糖自己測定よる血糖管理目標値を優先する。HbA1cの管理目標値は妊娠週数や低血糖のリスクなどを考慮し、個別に設定する。

(日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2019. 南江堂, p.293, 2019)

妊娠中の食事療法と体重管理

お母さんの肥満や妊娠中の体重増加は赤ちゃんが大きくなりすぎてしまう巨大児の原因になります。糖尿病がもともとある方や妊娠中に妊娠糖尿病を発症した方は、過度に体重が増加しないように注意する必要があります。そのため、食事は適切なエネルギー摂取と栄養バランスを心がけます。食事エネルギー量の目安としては、標準体重×30kcalを基本として、

・妊娠初期(~13週):標準体重×30kcal+50kcal
・妊娠中期(14~27週):標準体重×30kcal+250kcal
・妊娠後期(28週~):標準体重×30kcal+450kcal

とする考え方と、

・妊娠期間中(一律):標準体重×30kcal+200kcal

とする考え方があります。

肥満(BMI 25以上)がある方の場合はエネルギー制限をすることがあり、食事エネルギー量の目安を標準体重×30kcalで考えることが多いです。

いずれにしても、お母さんの体重管理や赤ちゃんの成長などを参考に、食事エネルギー量や栄養バランスなどを調節していくことになります。

高血糖を予防するための食事療法の方法として、1回の食事で食後の血糖値が高くなってしまう場合は、1日3食を分割して、朝食、10時(おやつ)、昼食、15時(おやつ)、夕食、夜食にするなど、総カロリー数が多くなりすぎないようにしながら、少量ずつ食べる工夫(分食)をします。間食はヨーグルトやフルーツなど、軽食でも大丈夫です。
食事や血糖の記録をつけ、主治医や管理栄養士と相談しながら食事をコントロールしましょう。

表4:お母さんの適正な体重増加
体格  適正体重増加
 BMI<18.5  9~12kg
 18.5≦BMI<25  7~12kg
 25≦BMI  個別対応(およそ5kgを目安)
(日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2019. 南江堂, p.296, 2019より一部改変)

*BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

妊娠中の血糖測定

先述のとおり、妊娠中は血糖コントロールを厳格に行う必要があります。その際に、血糖値を自分で知ることができると、血糖コントロールを目指す上で大きな助けになります。

血糖自己測定

指先の皮膚に針を刺し、わずかな量の血から血糖値を調べます(血糖自己測定について)。

持続血糖測定(CGM)

皮下に細い電極を装着し、そこから皮下の間質液中のグルコース(ブドウ糖)の濃さを計測します。24時間以上(最長14日間)続けて血糖値の変化を記録することができ、下のようなグラフで血糖の推移を確認することができます。

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持続血糖測定器

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持続血糖測定の結果

(画像提供:アボットジャパン)

妊娠していない場合には、血糖自己測定や持続血糖測定は注射薬を使用している方のみ保険が適用されますが、妊娠されている方の場合は注射薬を使っていなくても保険適用になる場合があります(妊娠中の糖尿病患者さんまたは、妊娠糖尿病の方の場合(例))。

妊娠と薬物療法

血糖を下げるお薬について

糖尿病の飲み薬は、胎盤を通過したり母乳に含まれたりすることで赤ちゃんに影響を与えてしまう可能性があること、安全性が確立していないことなどから、妊娠前~妊娠中、出産後の授乳期に飲むことは望ましくありません。かわりに、薬が必要な場合にはインスリンの治療を行います。糖尿病の飲み薬やインスリン以外の注射薬を使用している方は、原則インスリンへの切り替えが必要です。インスリンの中でも、妊娠中投与の安全性がほぼ確立しているものと、そうでないものがあります。また、インスリンポンプを使用して細やかな血糖管理を行う場合もあります。

あらゆるインスリン製剤は、妊婦への使用について利点・欠点を十分に検討した上で慎重投与することになっています。
専門的になりますが、安全性を確認する研究と、実際に臨床で使用されている状況を以下の表にまとめました。実施された研究の種類は2種類あります。

研究の種類

(1)RCT:ランダム化比較試験のこと。評価の偏りを避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法。

(2)メタアナリシス:複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析。

表5:各種インスリン製剤と妊婦への安全性について
分類名 一般名 一般的商品名 安全性についての研究と、これまで母体へ使用された実績
超速効型インスリン製剤 インスリンアスパルト ノボラピッド RCTにより、ヒトインスリンとの比較により児の転帰に差がないこと、重症低血糖の頻度が減少すること、生活の質が改善することなどが示されている1)
インスリンリスプロ ヒューマログ メタアナリシスにより、ヒトインスリンとの比較により児転帰に差がないこと、重症低血糖の頻度が減少すること、生活の質が改善することなどが示されている2)
インスリングルリジン アピドラ *
速効型インスリン製剤 ヒトインスリン ノボリンR
ヒューマリンR
他インスリンの安全性研究において対照群として使用されるなど、臨床では広く使用されている1)2)
中間型インスリン製剤 ヒトイソフェンインスリン ノボリンN
ヒューマリンN
他インスリンの安全性研究において対照群として使用されるなど、臨床では広く使用されている3)4)
持効型溶解インスリン製剤 インスリンデテミル レベミル 中間型インスリンと比較したRCTによって、低血糖頻度を増やさずに空腹時血糖値が改善することなどが報告されている3)
インスリングラルギン ランタス注100単位/mL 製剤 メタアナリシスで中間型と比較して周産期合併症に差がなかったことが報告されている5)
インスリングラルギン ランタス

ランタスXR
インスリングラルギンBS
メタアナリシスで中間型と比較して周産期合併症に差がなかったことが報告されている5)
*
*
インスリンデグルデク トレシーバ *
混合型インスリン製剤 インスリン リスプロ ヒューマログミックス25注
ヒューマログミックス50注
*

*
配合持効溶解製剤 インスリンデグルデク/インスリンアスパルト配合 ライゾデグ配合注 *
分類名 一般名 一般的商品名 安全性についての研究と、これまで母体へ使用された実績
超速効型インスリン製剤 インスリンアスパルト ノボラピッド RCTにより、ヒトインスリンとの比較により児の転帰に差がないこと、重症低血糖の頻度が減少すること、生活の質が改善することなどが示されている1)
インスリンリスプロ ヒューマログ メタアナリシスにより、ヒトインスリンとの比較により児転帰に差がないこと、重症低血糖の頻度が減少すること、生活の質が改善することなどが示されている2)
インスリングルリジン アピドラ *
速効型インスリン製剤 ヒトインスリン   他インスリンの安全性研究において対照群として使用されるなど、臨床では広く使用されている1)2)
ヒトインスリン ヒューマリンR 他インスリンの安全性研究において対照群として使用されるなど、臨床では広く使用されている1)2)
中間型インスリン製剤 ヒトイソフェンインスリン ノボリンN
ヒューマリンN
他インスリンの安全性研究において対照群として使用されるなど、臨床では広く使用されている3)4)
ヒトイソフェンインスリン ヒューマリンN 他インスリンの安全性研究において対照群として使用されるなど、臨床では広く使用されている3)4)
持効型溶解インスリン製剤 インスリンデテミル レベミル 中間型インスリンと比較したRCTによって、低血糖頻度を増やさずに空腹時血糖値が改善することなどが報告されている3)
インスリングラルギン ランタス注100単位/mL 製剤 メタアナリシスで中間型と比較して周産期合併症に差がなかったことが報告されている。
インスリングラルギン ランタス メタアナリシスで中間型と比較して周産期合併症に差がなかったことが報告されている5)
インスリングラルギン ランタスXR *
インスリングラルギン インスリングラルギンBS *
インスリンデグルデク トレシーバ *
混合型インスリン製剤 インスリン リスプロ ヒューマログミックス25注 *
インスリン リスプロ ヒューマログミックス50注 *
配合持効溶解製剤 インスリンデグルデク/インスリンアスパルト配合 ライゾデグ配合注 *
*現在のところ、RCTやメタアナリシスの情報がないインスリン製剤

高血圧や脂質異常症の薬について

糖尿病がある方は、高血圧や脂質異常症を合併していることがあります。
一般的に、糖尿病に合併して糖尿病腎症や高血圧がある方は、1)アンジオテンシン変換酵素阻害薬や2)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬という種類の薬が投与されることがありますが、これらの薬は妊娠中の服用に関して安全性が確立していないため、他の血圧を下げる薬に切り替える必要があります。

また、脂質異常症に対する、3)HMG-CoA還元酵素阻害薬や4)フィブラート系という薬も妊娠中には使用を控えたほうがよいため、主治医には糖尿病の治療薬だけでなく、その他の服薬内容も正確に伝えましょう。

1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤:レニベース錠、ロンゲス錠、エースコール錠など
2)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤:ニューロタン錠、ブロプレス錠、ディオバン錠、ミカルディス錠、オルメテック錠など
3)HMG-CoA還元酵素阻害薬:メバロチン錠、リポバス錠、リピトール錠、リバロOD錠、クレストール錠
4)フィブラート系:ベザトール錠、リピディル錠など
*上記1)~4)は内服薬の一部です。内服治療中の方は飲んでいる薬を継続してよいか、主治医に確認してください。

周産期のお母さんと赤ちゃんにはどんな影響があるの?

お母さんの高血糖は、胎盤を通して赤ちゃんに伝わりますが、インスリンは胎盤を通過できないため赤ちゃんに届けることができません。高血糖はお母さんのからだや赤ちゃんに影響を及ぼしますので、お母さんの血糖を適切な値にコントロールすることが大切です。血糖コントロールが高いときに起きる影響としては、以下のようなものが知られています。

表6:血糖コントロールが悪いときに起こりうるお母さんと赤ちゃんの併発症
お母さんの併発症 赤ちゃんの併発症
1)糖尿病併発症
  糖尿病網膜症の悪化
  糖尿病腎症の悪化
  糖尿病ケトアシドーシス
  低血糖
2)産科併発症
  流産
  早産
  妊娠高血圧症候群
  羊水過多症
  巨大児に基づく難産
1)胎児・新生児併発症
  胎児死亡
  先天異常
  形成異常
  巨大児
  肩甲難産に伴う分娩時外傷
  新生児低血糖症
  新生児高ビリルビン血症
  新生児呼吸窮迫症候群
  新生児低カルシウム血症
  新生児心筋症
  新生児多血症
  胎児発育不全
2)将来の併発症
  肥満・メタボリックシンドローム
  糖尿病
(日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2020. 南江堂, p.283, 2019)

出産とその後に気をつけてほしいこと

赤ちゃんが大きくなりすぎてしまう巨大児の場合や、お母さんの合併症が重度な場合は、お母さんや赤ちゃんを守るために、帝王切開が選択されることもあります。

出産後は、ホルモンを分泌していた胎盤がお母さんのからだからなくなるため、インスリンの必要量はすみやかに減ります。授乳によりさらに血糖が低下することがあるため、低血糖からお母さんを守るためにも、出産後も注意深く血糖管理を行うことが大切です。
授乳期間中もインスリン治療を継続する場合は、授乳の際に低血糖が生じないよう、授乳前に補食が必要になることがあります。

妊娠糖尿病と診断された方は、産後6~12週の間に75g経口ブドウ糖負荷試験リンク検査が必要です。お母さんの糖代謝異常が出産後いったん改善しても、一定期間後に糖尿病を発症するリスクが高いため、定期的な経過観察が重要です。

合併症がある方も、引き続き主治医とよく相談しながら管理していきましょう。

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参考文献

  • 日本糖尿病学会 編著:糖尿病治療ガイド2020-2021. 文光堂, 2020
  • 日本糖尿病学会 編著:糖尿病診療ガイドライン2019. 南江堂, 2019
  • 日本糖尿病・妊娠学会 編:妊婦の糖代謝異常 診療・管理マニュアル 改訂第2版. メジカルビュー社, 2018

引用文献

  • 1)Mathiesen ER et al., Diabetes Care. 2007, 30, 771-776
  • 2)Blanco CG et al., Diabetes Technol Ther. 2011, 13, 907-911
  • 3)Hod M et al., J Matern Fetal Neonatal Med. 2014, 27, 7-13
  • 4)Pollex E et al., Ann Pharmacother. 2011, 45, 9-16
  • 5)⑤Diebetes Metab.2010;36

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