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糖尿病と関連する検査

更新・確認日:2024年10月24日
掲載日:2015年10月27日

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糖尿病の状態を知り、適切な薬を選ぶ際に必要となる検査として、血糖に関する検査とインスリン分泌能に関する検査があります。ここではこれらについて詳しくお話しします。
糖尿病の合併症に関連する検査については、合併症の項目をご覧ください。

目次

血糖値を調べる検査

血糖値のコントロール目標値は、血糖マネジメントの効果はどうやってわかるの?治療の目標は?をご覧ください。

血糖値

血液検査(採血)

血液を採取した時点での、血液のブドウ糖の濃さ(血糖値)がわかります。
食後では、食事をしていない状態(空腹時)と比べて血糖値が高くなることが多く、空腹時の血糖値を知りたい場合には10時間以上、食事や糖分の含まれた飲み物を取らないように指示されることがあります。

特定健診では、

  • 空腹時血糖値が100mg/dLから125mg/dLで特定保健指導
  • 空腹時血糖値が126mg/dL以上で医療機関への受診

が推奨されています。

簡易血糖自己測定

簡易自己血糖測定器

血液検査(簡易)

ご自宅でもできる簡易検査です。手などの皮膚に針を刺し、わずかな血の量から血糖値を調べます。糖尿病の注射薬による治療を行っている方には、使用するときに公的医療保険が適用されます。

尿糖

尿検査(採尿)

個人差はありますが、通常、血糖値が160から180mg/dLまで高くなると、尿の中に糖がでてきます。そのため、簡易尿検査のキットで尿中の糖の濃さを調べることができます。食前の尿や、食前に排尿したうえで、食後2時間の尿を調べます。血糖値を下げる薬には、尿中に糖を出すものもあります。ご自宅で使用するときは、主治医の先生と相談しましょう。
尿検査のキットは薬局でも入手できます。取扱い説明書をよく読んで使用しましょう。

75g OGTT(75グラム経口ブドウ糖負荷試験)

血液検査(採血)

10時間以上の空腹状態で来院して、空腹時の血液検査(採血)を行った後で75gのブドウ糖が入ったソーダ水を飲み、しばらくした後で再度採血を行います。ソーダ水を飲む前と、飲んだ後の血糖値を調べます。糖尿病の診断や、境界型の診断をする時に行われます。

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)

血液検査(採血)

過去1、2か月分の血糖値のあらましを反映します。
ヘモグロビンは、赤血球の中にあり、血液中の酸素を運搬する役目を担っています。ヘモグロビンは作られて壊されるまでの間(約120日)に、血液中の糖にさらされて、ヘモグロビンの一部が糖とくっつきます。
血液中の糖の濃度が濃いと、全体のヘモグロビンのうち、糖がくっついたものの割合が高くなります。この、ヘモグロビンのうち糖がくっついたものの割合のことをHbA1cといいます。
例えば、HbA1c 7%とは、からだの中にあるヘモグロビン全体のうちの7%に糖がくっついているということです。

ヘモグロビン・結合・ブドウ糖

特定健診では、

  • HbA1c 5.6から6.4%で特定保健指導
  • HbA1c 6.5%以上で医療機関の受診

が推奨されています。

グリコアルブミン

血液検査(採血)

過去2週間分の血糖値のあらましを反映します。
アルブミンは血液中を流れているタンパク質です。作られてから壊されるまでの間(約20日)に、血液中の糖にさらされ、糖がくっつく性質があります。HbA1cと同じように、アルブミンのうち糖がくっついたものの割合のことをグリコアルブミンといいます。献血にいくと、グリコアルブミンを計測してもらえます。糖尿病の診断のきっかけとなることがあります。

  • 基準値:11%から16%

CGM(Continuous glucose monitoring)持続血糖測定


皮下にとても細いチューブを置いたままにしておいて、そこから5分毎に皮下の糖の濃さを計測します。24時間以上続けて血糖値の変化を記録することができ、下のようなグラフで血糖の推移を確認することができます。
(右図:持続血糖測定器、下図:持続血糖測定の結果)

%u6301%u7D9A%u8840%u7CD6%u6E2C%u5B9A%u5668   グラフ

画像提供:日本メドトロニック

注意

ご自身で血糖値、尿糖の簡易検査をして、糖尿病の可能性があるとわかった場合には、できるだけ早く医療機関を受診して医師に相談し、正式な検査を受けてください。

インスリンの分泌を調べる検査

インスリン

血液検査(採血)

採血では血液中のインスリン濃度が分かります。血糖値とあわせて測ることで、血糖値が高いのにインスリンが出る量が少ないこと(分泌能低下)や、インスリンが高いのに血糖値が下がらないこと(インスリン抵抗性)などがわかり、糖尿病の状態をより深く知ることができます。自分の膵臓から出たインスリンと、外から注射で補われたインスリンは区別して測ることはできません。

Cペプチド

血液検査(採血)・尿検査

Cペプチドは、膵臓からインスリンが分泌されるときにインスリンにくっついて出てくるタンパク質です。その後、インスリンからは切り離されて、血液中を通った後に尿に出されます。(図:インスリンとCペプチドの関係)

実際に血糖値を下げるのはインスリンであり、Cペプチドはそのかけらのようなものです。Cペプチドの量を測ると、自分の膵臓からでたインスリンの量を推測することができます。

図:インスリンとCペプチドの関係

図:インスリンとCペプチドの関係

膵臓からははじめ、プロインスリンというタンパク質が出てきます。そこからCペプチドが切り離され、血糖値を下げるインスリンができます。Cペプチドはその後、尿中に捨てられてしまいます。

糖尿病の合併症を調べる検査

腎臓の機能・眼底検査・大血管症などの糖尿病の合併症の状態を調べる検査があります。
それぞれの合併症の検査についての詳しいはなしは、「合併症」の項目をご覧ください。

ほかにも、糖尿病のある方は血糖値以外にも気にかけたい検査項目があります。
「血糖マネジメント以外に気をつけることはありますか?」
も合わせてお読みください。

参考文献

  • 日本糖尿病学会 編:糖尿病診療ガイドライン2024.南江堂, 2024
  • 日本糖尿病学会 編著:糖尿病治療ガイド2022-2023. 文光堂, 2022

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