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糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう

2015年10月27日掲載2015年11月4日改定版掲載

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血糖の濃度(血糖値)が何年もの間高く治療されないままでいると、血管が傷ついて、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、糖尿病の慢性合併症がおきてしまいます。ここでは、糖尿病に特徴的な慢性合併症の概要についてお話しいたします。

糖尿病の急性合併症についてはこちらをご覧ください。

目次

糖尿病の慢性合併症はどうしておきるの?

慢性合併症は血管の病気です

血管は、からだのすみずみに栄養を運ぶ通路のような役割を果たしています。

血液中の糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままでいると、血管が傷ついたり、詰まったりして、血流が滞ってしまいます。このように、高血糖が原因で血管とそれにつながる臓器が障害されると、糖尿病に関連するさまざまな合併症が生じます。

糖尿病の慢性合併症は、数年から数十年の経過でゆっくり生じてきます。かなり進行するまで症状が出ないこともあり、気が付かないうちに合併症が進むと、時として命にかかわる重い状態となることもあります。

どのような慢性合併症があるのか知っておくこと、そして担当医と相談しながら定期的に合併症に関する検査を受けることが大切です。

慢性合併症は大きく2つに分類されます。

細小血管症(さいしょうけっかんしょう)大血管症です。(図1:糖尿病の慢性合併症)

図1:糖尿病の慢性合併症

糖尿病の慢性合併症

細小血管症

細小血管症

糖尿病に特有な合併症として、細い血管が傷つけられて生じる細小血管症があります。

糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症などがあります。

んけい」、「」、「んぞう」の頭文字をとって、「しめじ」と覚えます。

大血管症

高血糖は、血管がかたくなったり、狭くなったりする、「動脈硬化症」(いわゆる「血管の老化」)を進める原因にもなります。

大血管症

高血糖のほかに、高血圧や脂質異常症(悪玉コレステロール[LDLコレステロール]が高い、中性脂肪[TG・トリグリセリド]が高いなど)、肥満、喫煙、加齢も動脈硬化症につながります。動脈硬化症はからだの比較的大きな血管と、それにつながる臓器を障害し、大血管症を引き起こします。

大血管症01

大血管症には、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患、足病変(足壊疽など)といったものがあります。

そ」、「うこうそく」、「虚血性心疾患(ょけつせいしんしっかん)=心筋梗塞、狭心症のこと」の頭文字をとって、「えのき」と覚えます。

糖尿病の慢性合併症とどのように向き合うか

糖尿病の合併症を起こさない、悪くしないためには

  • 血糖値を目標の値にコントロールする
  • 糖尿病の治療を中断しない
  • 血圧・コレステロールの値を望ましい範囲にコントロールする
  • 喫煙をしない
  • 体重を望ましい範囲にコントロールする

ことが大切です。
血糖の目標値は、血糖コントロールの効果はどうやってわかるの?目標値は?、血圧、コレステロール、体重の目標値については、血糖コントロール以外に気を付けることはありますか?を参照してください。

合併症を早く見つけるには

  • 定期的に合併症を発見するための診察や検査を受けましょう

具体的な検査項目については、血糖コントロール以外に気を付けることがありますか?を参照してください。

もしも合併症が見つかった場合には

  • 医療機関で、早めに詳しい検査や治療を受けましょう
  • 合併症の段階によって、それぞれの分野の専門の先生との連携が必要になります
    (網膜症では眼科、腎症であれば腎臓内科、脳血管や心臓の合併症であれば、
    神経内科、循環器科、血管外科などが関わってきます)
  • 合併症を悪くしないために、毎日の生活習慣(食事や運動、喫煙や体重管理)の
    見直しがとても大切です

主治医や医療スタッフと一緒に、糖尿病の合併症をおこさない、そして悪くしないためにはどうしたらよいか、考えていきましょう。

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