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ホルモンの病気と糖尿病

2016年12月5日掲載

目次

私たちの体の血糖値が上がったり下がったりするのには、目に見えない“ホルモン(内分泌)”の働きが関係しています。ここではホルモンと糖尿病の関係についてお話しします。

ホルモンってなに?

ホルモンは、私たちのからだで作られ、体のバランスを調整しています。

例えば、私たちが極寒の雪国でも凍らず、灼熱の砂漠でも干からびないのは、ホルモンが常に体温や水分を一定に保つようにバランスを取っているためです。また、女性らしさや男性らしさに影響する性ホルモンや、成長を促す成長ホルモンなど、体の中には100種類以上のホルモンがあります。ホルモンは“内分泌器”と呼ばれる臓器で作られ、血液中に分泌(放出)されます。

目に見えないところで体のバランスを整えているホルモンについては、まだ分かっていないこともたくさんありますが、ここでは血糖の変動に関わるホルモンとそれに関連する病気についてご紹介します。

どうしてホルモンの病気で糖尿病になるの?

体の中では代謝のバランスを整えるためにいろいろな種類のホルモンが働いています。

血糖値を下げる働きのあるインスリンもホルモンの一つです。インスリンとは反対に血糖値を上げる作用のあるホルモンやインスリンの働きを抑える作用のあるホルモンもあります。血糖は人間が生きていくために不可欠なものであるため、身体の中では血糖値を下げる働きのあるホルモンよりも上昇させる働きのあるホルモンの方が多く存在します。

血糖を上げる働きのあるホルモンが何らかの病気により正常よりも大量に分泌されるとインスリンとのバランスが取れず、血糖値が必要以上にあがってしまいます。その結果、糖尿病やその一歩手前の耐糖能異常を引き起こしてしまうのです。

このようなホルモン(内分泌)の異常によっておきる糖尿病は、「その他の特定の機序、疾患による」糖尿病に分類されます。

インスリンレンジャー

図:ホルモンと血糖値の関係
血糖値を下げるホルモンはインスリンしかありませんが、血糖値を上げるホルモンは複数あります。

高血糖になる可能性があるホルモンの病気

血糖を上げる作用に影響があるホルモンには成長ホルモン、副腎皮質ホルモン(コルチゾール・アルドステロン)、副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)、甲状腺ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチンなどがあります。
これらのホルモンが必要以上にたくさん分泌されると血糖値が上昇します。

ホルモンが過剰に分泌してしまう病気には以下のようなものがあります。
これらの病気が原因で悪化した血糖はもともとのホルモンの病気を治療することで改善しますので、早めに発見・診断して治療することが重要です。

血糖を上げる
ホルモンの種類
関連する
ホルモンの病気
特徴
成長ホルモン 下垂体性巨人症
先端巨大症
脳の下垂体という小さな臓器から成長ホルモンがたくさん分泌される病気です。お子さんの場合は、骨が伸びる最中に成長ホルモンがたくさん分泌されるため、身長がとても高くなる特徴があり、下垂体性巨人症と呼ばれます。大人になってから発症した場合は、身長は伸びずに、手足が大きくなる、口唇・鼻が大きくなる、おでこや顎が出っ張ってくるなどの特徴を持ち、先端巨大症と呼ばれます。先端巨大症の患者さんの約6割に耐糖能異常を認めます。
コルチゾール クッシング症候群 腎臓の上には副腎*という小さな臓器があり、ここから数種類のホルモンがでています。副腎皮質ホルモンの中で、コルチゾールというホルモンがたくさん分泌される病気をクッシング症候群といいます。顔が丸くなる、腹部肥満と手足の筋力が低下するなどの特徴があります。80%に耐糖能異常が認められると言われています。
また、他の病気のためにステロイドホルモンの薬を使用している方も、クッシング症候群と同じ特徴が生じて血糖値が高くなることがあります。
アルドステロン (原発性)
アルドステロン症
副腎皮質*から出るホルモンの中でアルドステロンというホルモンがたくさん分泌される病気です。高血圧や低カリウム血症になります。耐糖能異常を15%ほどに認められると言われています。
カテコールアミン 褐色細胞腫 副腎髄質*からカテコールアミンというホルモンが多く分泌される病気です。カテコールアミンが多く分泌されると脈拍が早くなったり、血圧が高くなったりします。60~80%に耐糖能異常を認めます。
甲状腺ホルモン 甲状腺機能亢進症 喉元に甲状腺という内分泌器があり、ここから甲状腺ホルモンという、エネルギーの代謝を調整するホルモンが出ています。甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンがたくさん分泌される病気です。耐糖能異常を認める割合は報告によって様々で、30~60%と言われています。
グルカゴン グルカゴノーマ 膵臓からは血糖値を下げるインスリンの他にも、血糖値を上げる働きを持つグルカゴンが分泌されています。グルカゴンをたくさん作る腫瘍をグルカゴノーマといい、70~90%の方に血糖値が高くなる傾向をみとめます。
ソマトスタチン ソマトスタチノーマ ソマトスタチンは、脳の視床下部というところや膵臓、消化管などから出るホルモンで、他の様々なホルモンの働きを抑える働きがあります。ソマトスタチンをたくさん作る腫瘍はソマトスタチノーマと呼ばれ、とても稀な病気の一つです。血糖値を下げるインスリンの分泌を抑える働きも持つため、血糖値が高くなることがあります。
*副腎は、腎臓の上にある3~4cm程度の小さな臓器です。副腎は表層部の皮質と中心部の髄質からできており、それぞれ異なるホルモンを出しています。皮質からはコルチゾール・アルドステロン・性ホルモンが分泌され、髄質からはカテコールアミンが分泌されます。こうしたホルモンの出が極端に多かったり少なかったりすると、体の不調につながります。
副腎イラスト

低血糖になる可能性があるホルモンの病気

血糖値が高くなる糖尿病とは逆に、ホルモンの異常により血糖値が低くなる病気があります。

糖尿病の方で起きる低血糖は、糖尿病の飲み薬やインスリン注射が原因となることがほとんどですが、稀にホルモンの病気が関係している場合もあります。

低血糖に関わる
ホルモンの種類
関連する
ホルモンの病気
特徴
インスリン インスリノーマ 膵臓からは血糖値を下げるインスリンが分泌されます。インスリンをたくさん出す腫瘍をインスリノーマといい、低血糖発作の原因となります。
コルチゾール 副腎不全 副腎からは血糖値を上げるコルチゾールというホルモンが出ています。血糖値を上げる主要な役割をしているため、何らかの原因でコルチゾールが分泌されないと低血糖になることがあります。副腎が正常に働かないので、副腎不全と呼びます。
他の病気の治療でステロイドホルモンを継続的に使用している方が急に中止した場合も副腎がうまく機能せずコルチゾールが不足し、低血糖となることがあります。

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