糖尿病のある方の新型インフルエンザワクチン情報（2）

2009年10月2日掲載2009年10月5日改定版掲載、2009年11月2日再改定版掲載、2009年11月19日三訂版掲載、2009年12月4日四訂版掲載

厚生労働省　新型インフルエンザワクチンの優先接種対象の基準

患者・一般向け情報

厚生労働省は、国内産ワクチンの供給が限られている中で

1. 死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと、
2. 持病をお持ちの方や診療現場の混乱を最小化すること

を目的に新型インフルエンザウイルスに対するワクチン接種を進めています。

優先接種の対象者と接種順（厚生労働省案）

• （1）インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者
• （2）-1 妊婦の方　および　基礎疾患のある優先対象者＊
• （2）-2 基礎疾患があり、優先対象者の次に接種対象者となる方＊
• （3）1歳から小学校3年生に相当する年齢の小児
• （4）1歳未満の小児の保護者　および　優先接種対象者のうち、身体上の理由により予防接種がうけられない方の保護者等

優先接種の対象者の次に対象になる方（厚生労働省案）

小学校4年生から高校生に相当する年齢の方および65歳以上の方

注：優先接種の対象となる可能性のある基礎疾患は以下の9つです。

1. 慢性呼吸器疾患
2. 慢性心疾患
3. 慢性腎疾患
4. 慢性肝疾患
5. 神経疾患・神経筋疾患
6. 血液疾患
7. 糖尿病
8. 疾患や治療に伴う免疫不全状態
   （悪性腫瘍、関節リウマチ・膠原病、内分泌疾患（肥満を含む）、消化器疾患、HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態）
9. 小児科領域の慢性疾患

（厚生労働省「新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準」平成21年10月2日　より）

この9つの疾患のどのような病状の方がワクチン接種の対象になるのかについて、厚生労働省が決定しました。糖尿病の方の基準に関しても、日本糖尿病学会の見解を参考に厚生労働省が決定しました。以下に糖尿病の方に関する基準の概要を掲載します。（この基準全体に関する詳細は厚生労働省ホームページに掲載されています。リンク先を下記に記載しております）。

糖尿病に関する厚生労働省「新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準」の概要

優先対象基準

以下のいずれかに該当する糖尿病の方

1. 糖尿病の方で新型インフルエンザに感染した場合に重症化するリスクが高い他の病状（併発疾患）をお持ちの方。併発疾患をもつ方のうちワクチン接種の対象となるのは、今回厚生労働省が発表した基準に該当する方です。
2. 糖尿病を合併している妊婦の方。ワクチン接種の基準については日本産婦人科学会の推奨する基準に従って判断します。
3. 1歳から高校生に該当する年齢の糖尿病の方。
4. インスリンによる治療を必要とする方。

上記の優先患者の次に接種対象者となる方の基準

上記以外の糖尿病の方のうち、経口糖尿病薬による治療を必要とする方

一般的にインフルエンザウイルスに対するワクチンの接種は有効な場合が多いものの、決して万能なものではありません。稀ではありますが、副作用もあります。新型インフルエンザウイルスワクチンについても同様であろうと予測されます。手洗い等の基本的な予防対策を行った上で、ワクチン接種に関しては、今後発表になる情報を参考にして主治医とご相談ください。
ワクチン接種の時期および期間は、都道府県ごとに決定され、取り扱い医療施設等において、主治医または主治医からの依頼により行われるとのことです（予約制）。詳しいことは接種開始見込みの時期が近くなりましたら、お住まいの市区町村にお問い合わせください。現時点ではワクチンの接種回数は成人原則1回、13歳未満は2回、中高生は当面2回とされています。接種の費用は、2回の接種を同じ医療機関で接種する場合1回目の接種が3600円、2回目の接種が2550円と発表されています。

新型インフルエンザワクチンに関するご質問については厚生労働省HP「新型インフルエンザワクチンQ&A」（2009年12月4日リンク先変更）（外部リンク）をご参照ください。

厚生労働省

• 受託医療機関等における新型インフルエンザ（A/H1N1）ワクチン接種実施要項（案） p13　 （別紙1）新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準（外部リンク）
• 新型インフルエンザワクチン関連情報　関連学会からの意見書 （2009年10月26日リンク先変更）（外部リンク）
• 10月2日　新型インフルエンザ対策担当課長会議 （2009年10月20日リンク先追加）（外部リンク）
• 新型インフルエンザ（A/H1N1）ワクチン接種事業 （2009年10月26日リンク先追加）（外部リンク）
• 新型インフルエンザワクチンの接種回数の見直しについて （2009年12月16日リンク先追加）（外部リンク）

日本糖尿病学会

• 新型インフルエンザウイルスワクチン接種に関する日本糖尿病学会の見解（外部リンク）

独立行政法人 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター

• 糖尿病のある方の新型インフルエンザ対策（患者・一般向け、医療関係者向け）
• 糖尿病のある方の新型インフルエンザワクチン情報（1）
  新型インフルエンザウイルスワクチン接種に関する日本糖尿病学会の見解
  （患者・一般向け、医療関係者向け）

リンク先

厚生労働省

インフルエンザの基礎知識　平成19年発行（外部リンク）

国立感染症研究所感染症情報センター

個人個人がおこなうことのできる対策（改訂版）（外部リンク）

厚生労働省研究班

新型インフルエンザ対策（A/H1N1）　感染してもひどくならないために　糖尿病または血糖値が高い人へ（外部リンク）

医療関係者向け情報

上の「患者・一般向け情報」に記載した事項に加え、こちらのサイト、ガイドラインなどが参考になります。

新しい情報に注意を

上記の情報は現時点のものです。今後、随時状況が変わったり、情報が追加されたりする可能性がありますので、最新情報にご留意ください。