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HbA1cの国際標準化と表記
2014年4月7日掲載
患者・一般向け情報
糖尿病の血糖コントロールの指標として用いられるHbA1cの値は、これまで国内と海外で基準となるものさしが異なるため、若干の違いがありました。
日本糖尿病学会は、段階的に日本のHbA1cの値を海外の基準のひとつであるNGSPのHbA1c値(HbA1c(NGSP))に変換する工程表を発表しました。
すでに2011年7月1日より、英文誌などに発表するHbA1cの値はNGSPに相当する国際標準値とすることになっておりました。2011年10月1日付けで社団法人検査医学標準物質機構がNGSPの基準測定施設の認証を取得したことに伴い、これまで私たちが使ってきたHbA1c(HbA1c(JDS)と表記します(注)とNGSPのHbA1c(HbA1c(NGSP)と表記します(注)が以下の式で換算できるようになりました。
- HbA1c(NGSP)(%)= 1.02×HbA1c(JDS)(%)+0.25% (1)
- HbA1c(JDS)(%)= 0.980×HbA1c(NGSP)(%)-0.245% (2)
この換算式(1)を実際に計算すれば(小数点以下第三位まで計算し第二位を四捨五入)
- HbA1c(JDS)(%)が
4.9%以下 : HbA1c(NGSP)(%)= HbA1c(JDS)(%)+0.3%
5.0から9.9% : HbA1c(NGSP)(%)= HbA1c(JDS)(%)+0.4%
10.0から14.9% : HbA1c(NGSP)(%)= HbA1c(JDS)(%)+0.5%
となり、換算式(2)を実際に計算すれば
- HbA1c(JDS)(%)が
5.2%以下 : HbA1c(JDS)(%)= HbA1c(NGSP)(%)-0.3%
5.3から10.2% : HbA1c(JDS)(%)= HbA1c(NGSP)(%)-0.4%
10.3から15.2% : HbA1c(JDS)(%)= HbA1c(NGSP)(%)-0.5%
となります。
注:臨床検査の報告書などで、文字数の制限などによりHbA1c(JDS) HbA1c(NGSP)との表記ができない場合は、HbA1c(JDS)の略をHbA1c、HbA1c(NGSP)の略をA1Cと表記することになりました。
日常の診療で用いているHbA1cには2012年4月1日からHbA1c(NGSP)が用いられています。特定健診・保健指導においても、2013年4月1日以降検査分よりHbA1c(NGSP)を用いることになりました。
HbA1cとは
HbA1cは、赤血球内の酸素を運ぶ主要な血色素であるヘモグロビンA(HbA)に血液中のブドウ糖が結合して離れなくなったものです。HbA1cの単位は%です。例えばHbA1cが5.8%というのは、血液中のHbAのうち5.8%がHbA1cになっているということです。赤血球の寿命は約120日なので、HbA1cは、過去1,2か月の血糖の平均値をよく表します。
医療関係者向け情報
上の「患者・一般向け情報」に記載した事項に加え、下記のサイトを参照してください。
リンク先
日本糖尿病学会
- 平成25年度以降における HbA1c 国際標準化の運用計画(2012年10月24日)(外部リンク)
- 糖尿病関連検査の標準化に関する委員会 日常臨床及び特定健診・保健指導におけるHbA1c国際標準化の基本方針及びHbA1c 表記の運用指針(2012/9/24更新)(外部リンク)
- 糖尿病診断基準に関する調査検討委員会 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告(2012/9/24更新)(外部リンク)