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論文の読み方 - 診断
診断・相関に関する論文の読み方(チェックリスト)
診療の対象は患者さんであり検査値ではありません。数値は臨床的枠組みの中ではじめて意味を持ちます。予後や診療内容を変えないような検査は無用です。
診断
- P(患者・対象者)
- I(検査)
- C(比較対照)
- O(アウトカム)
妥当性の評価
- 診断基準:診断のゴールドスタンダードと客観的に比較されているか?
- 対象者:典型的な患者が対象となっているか?
- 一般性:他の患者群でも妥当性が確認されたか?
結果の評価
特性・信頼性(統計学的有意性)
検査結果 | 疾患あり | 疾患なし |
---|---|---|
陽性 | a 人 | b 人 |
陰性 | c 人 | d 人 |
- 感度=a÷(a+c)= 、信頼区間( )
- 特異度=d÷(b+d)= 、信頼区間( )
- 尤度比=感度÷(1-特異度)= 、信頼区間( )
患者への適用性・臨床的意義
- 患者層は似ているか?
- 有病率が見積もれるか?
- 入手・実行可能で正確か?
- 治療方針が変わるか?予後が改善されるか?
- 患者の意向は?
- 早期診断後、治療に意欲的か?
- 他の診断法や対象者と比較して利益と害はどうか?
- 目標疾患の頻度・重篤度は検査の尽力・費用に見合うか?
相関
統計学的に有意であっても臨床的に意義があるとは限りません。p値に振り回されずリスク差や相関係数の大きさに着目します。
臨床問題
- P(患者・対象者)
- I(検査)
- C(比較対照)
- O(アウトカム)
妥当性の評価
- 対象者:特徴が明記され背景因子は2群間で違いがなかったか?
- アウトカムの内容と基準:臨床転帰が客観的に評価されているか?
- フォローアップ:追跡期間は十分長く追跡率は高いか?
- 因果関係の条件
- アウトカムより先にリスクファクターがあるか?(時間的前後関係)
- 同一人物で原因と結果が発生しているか?
- 量―反応関係があるか?
- 投与・曝露中止および再開の研究で裏づけられているか?(再現性)
- 他の研究結果との整合性はあるか?
- 生物学的に意味をなすか?
- 交絡因子がないか?
結果の評価
1.結果
リスク比、トレンド、相関・回帰係数=
2.信頼性(統計学的有意性)
p = 、信頼区間( )
患者への適用性・臨床的意義
- リスクの差、相関係数は大きいか?
- 治療・予防効果はあるか?
- 治療・予防に対する患者の意向は?