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アリスキレンフマル酸塩酸塩(ラジレス)についてのお知らせ

2012年1月24日掲載2012年6月8日改定版掲載、2012年11月29日再改定版掲載

患者・一般向け情

報医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、平成24年6月5日付けで、糖尿病を合併している高血圧の方の血圧の治療に際して、アリスキレンフマル酸塩酸塩(商品名ラジレス、以下アリスキレンと略)を販売しているノバルティス_ ファーマ社のCCDS(Company_Core_Data_Sheet:企業中核データシート)の改訂と整合性を図り、添付文書の改訂を指示しました。その結果糖尿病の方においては、アリスキレンのアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)あるいはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)との併用は禁忌となりました(ただしACE阻害剤又はARBでの治療に加え、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロール が著しく不良の糖尿病患者では、本剤投与によるベネフィットとリスクを十分に検討して本剤適応の可否を判断する とされています)。欧州医薬品庁(EMA)は2012年2月に、米国食品医薬品局(FDA)は2012年4月に、今回のPDMAの決定と同様の判断を下しています。

アリスキレンは直接的レニン阻害薬という新しい種類の高血圧の治療薬です。2012年6月5日付けの措置はALTITUDE試験の中間解析第一報において、ACE阻害薬やARBにアリスキレンを追加した群でACE阻害薬やARBによる治療群を上回る有益性がなかった上に、腎合併症、高カリウム血症、低血圧の発現率が高かったという結果をうけたものです(のちに発表されたALTITUDE試験中止後の最終報告では、高カリウム血症、蘇生が必要な心停止、低血圧の発現率が有意に高く、腎合併症の発現には有意差はありませんでした)。この結果に基づき、PMDAでは2011年12月より一時的な予防的措置として「ラジレス錠 150ミリグラム糖尿病を合併している高血圧症患者さんにおけるACE阻害薬又はARBとの併用について」 を配布し、情報提供及び注意喚起をしておりました。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、現在アリスキレン(ラジレス)を服用中の方に対して、不明な点は主治医に相談し、ご自身の判断のみで服用を中止したり、服薬量を減らしたりしないように呼びかけています。国内で認可されているアリスキレンを含む薬の商品はラジレスのみです。なおアリスキレンは直接的レニン阻害薬という種類の薬ですが、国内で認可されているこの種類の薬剤は、アリスキレンのみです。

緻密な計画のもと、長期間にわたり多数の2型糖尿病の方を調査する研究により、高血圧を合併する糖尿病の方の高血圧の治療についての正確な知識が深まることが望まれます。

新しい情報に注意を

上記の情報は現時点のものです。今後、随時状況が変わったり、情報が追加されたりする可能性がありますので、最新情報にご留意ください。当糖尿病情報センターでは今後も正確な情報を提供していく予定です。

ALTITUDE試験:日本を含む36カ国から腎機能障害を伴った2型糖尿病の8,606名の方が参加したランダム化・二重盲検・プラセボ対照国際共同試験です。参加者は試験開始時にACE阻害薬あるいはARBを含む心血管に関する至適な治療(糖尿病の方の高血圧における標準治療)をうけた上で、アリスキレン追加群とプラセボ追加群の2群に割り付けられ、(1)アリスキレンを別途使用しない、(2) ACE阻害薬とARBは併用しない、という条件以外には制約のない至適な治療を4年間継続されるというのが当初の計画です。主要評価項目は心血管死・蘇生をした突然死・非致死性心筋梗塞・心不全による予期せぬ入院・非致死性脳卒中・腎機能の悪化です。

ラジレス錠150ミリグラム 添付文書(2012年6月改定 第5版)より抜粋

禁忌(次の患者には投与しないこと)

アンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与中の糖尿病患者(ただし、アンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテン シンII受容体拮抗剤投与を含む他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)(非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。)

使用上の注意

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(3)腎機能障害のある患者

重要な基本的注意

(3)腎機能障害のある患者においては、血清カリウム値及び血清クレアチニン値が上昇するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが 60ミリリットル/分/1.73平方メートル未満の腎機能障害のある患者へのアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体 拮抗剤との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

医療関係者向け情報

上の「患者・一般向け情報」に記載した事項に加え、下記のサイトを参照してください。

リンク先

医薬品医療機器総合機構(PMDA)

ラジレス錠150ミリグラムの添付文書

日本糖尿病学会

ノバルティス ファーマ株式会社

プレスリリース ノバルティス、腎機能障害を伴うリスクの高い糖尿病患者さんを対象にした「ラジレス®」によるALTITUDE試験の中止を発表 (原文 2011年12月20日)

欧州医薬品庁(EMA)

European Medicines Agency starts review of aliskiren-containing medicines following termination of ALTITUDE study - interim advice while review is ongoing (2011/12/22)(外部サイトにリンクします)

ALTITUDEの概要

Aliskiren Trial in Type 2 Diabetes Using Cardio-Renal Endpoints (ALTITUDE): rationale and study design Nephrol. Dial. Transplant. (2009) doi: 10.1093/ndt/gfn721(外部サイトにリンクします)

参考文献

ALTITUDE試験中止後の最終報告
Cardiorenal End Points in a Trial of Aliskiren for Type 2 DiabetesN Engl J Med. 2012 Nov 3. [Epub ahead of print] (外部サイトにリンクします)

アリスキレンとACE阻害剤又はARBとの併用による高カリウム血症に関するシステマティックレビューとメタ解析
The effect of combination treatment with aliskiren and blockers of the renin-angiotensin system on hyperkalaemia and acute kidney injury: systematic review and meta-analysis
BMJ 2012;344:e4(外部サイトにリンクします)

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