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Adding once-daily lixisenatide for type 2 diabetes inadequately controlled by established basal insulin: a 24-week, randomized, placebo-controlled comparison (GetGoal-L).
最終更新日:2014年6月13日
タイトル
基礎インスリンにリキシセナチドを併用するとHbA1cが有意に低下する
著者
Riddle MC, et al.
掲載誌
Diabetes Care. 2013;36:2489-96(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):グラルギン使用にて血糖管理不良な2型糖尿病患者 (平均年齢56歳・男性50%・平均BMI32・平均罹病期間9.2年・平均HbA1c 7.6%・平均グラルギン投与量44単位/日)
I(治療):リキシセナチド皮下注射追加(20μg/日223人)
C(比較対照):プラセボ皮下注射追加(223人)
O(アウトカム):HbA1cに差があるか?
I(治療):リキシセナチド皮下注射追加(20μg/日223人)
C(比較対照):プラセボ皮下注射追加(223人)
O(アウトカム):HbA1cに差があるか?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:24週・中断率:6%
盲検化:あり
追跡期間:24週・中断率:6%
結果
プラセボと比較し,リキシセナチド群ではHbA1cは有意に低下した.また,リキシセナチド群ではHbA1c<7%達成者の有意な増加(56 vs 39%, P<0.0001),朝食後2時間血糖値の有意な低下(-58mg/dl, P<0.0001)を認めた.体重増加はリキシセナチド群で0.3kg,プラセボ群で1.2kgであった(P=0.0012).インスリン投与量はリキシセナチド群で3.1単位,プラセボ群で5.3単位増加した(P=0.03).副作用として吐き気・おう吐・症候性低血糖(<60mg/dl)はリキシセナチド群で高率であった.
アウトカム | リキシセナチド | プラセボ | 2群間差(最小二乗平均) | P値 |
---|---|---|---|---|
HbA1c変化 | -0.71% | -0.40% | -0.32%(95%信頼区間 -0.46~-0.17) | <0.0001 |
HbA1c<7%達成率 | 56% | 39% | <0.0001 |
コメント
グラルギンは主に空腹時血糖を低下させるが,食後高血糖が残存する場合は血糖コントロールは改善しにくい.GLP-1アナログの併用により食後高血糖を是正することでその障壁をが軽減され,体重増加も抑制されることが示された.
HbA1cという代理エンドポイントや体重という副次アウトカムではリキシセナチドの方が有意に優れていたが副作用が若干多かった。また、皮下注射というデメリットも伴う。さらに、研究期間がわずか24週であるため長期的な効果は未知数である。なお、研究デザイン上は妥当性は高いがこの論文作成には研究スポンサーであるリキシセナチド・グラルギン製造企業員も関与しており、大きく差し引いて批判的に読むことが重要である。
HbA1cという代理エンドポイントや体重という副次アウトカムではリキシセナチドの方が有意に優れていたが副作用が若干多かった。また、皮下注射というデメリットも伴う。さらに、研究期間がわずか24週であるため長期的な効果は未知数である。なお、研究デザイン上は妥当性は高いがこの論文作成には研究スポンサーであるリキシセナチド・グラルギン製造企業員も関与しており、大きく差し引いて批判的に読むことが重要である。