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The effect of nonsurgical periodontal therapy on hemoglobin A1c levels in persons with type 2 diabetes and chronic periodontitis: a randomized clinical trial.
最終更新日:2014年2月25日
タイトル
歯周炎を治療しても血糖コントロールは改善しない
著者
Engebretson SP, et al
掲載誌
JAMA. 2013;310:2523-32(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):慢性歯周炎を合併した2型糖尿病患者(全514人・男性54%・平均年齢57歳)
I(治療):初診時の歯石除去・根面平滑化・含嗽液および3ヶ月ごとの対症療法
C(比較対照):無介入
O(アウトカム):HbA1c変化に差があるか?
I(治療):初診時の歯石除去・根面平滑化・含嗽液および3ヶ月ごとの対症療法
C(比較対照):無介入
O(アウトカム):HbA1c変化に差があるか?
研究方法
デザイン:ランダム化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:6ヶ月,追跡率93%
盲検化:なし
追跡期間:6ヶ月,追跡率93%
結果
介入群では歯科的指標は対照群よりも有意に改善した.一方,両群ともHbA1cは微上昇し,両群間に有意差を認めなかった.
アウトカム | 介入群(SD) | 対照群(SD) | 両群差 | 信頼区間 |
---|---|---|---|---|
HbA1c変化(%) | 0.17(1.0) | 0.11(1.0) | -0.05 | -0.23から0.12 |
プロービング値(mm) | 0.28 | 0.18から0.37 | ||
attachment loss(mm) | 0.25 | 0.14から0.36 |
コメント
歯周病治療により血糖管理は改善することがメタアナリシスで示されていた(*)が,治療法(抗菌薬・抜歯など)・歯周病の定義の違いにともなうバイアスや追跡期間(多くは3ヶ月)のばらつきのために一般性には欠けていた,今回のランダム化試験はこれらの点において妥当性が比較的高いが,血糖コントロールのために歯周炎を非外科的に治療することは支持されない結果となった.QOLを含む長期的なアウトカム評価が切望される.
備考
* http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=389