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Combined Angiotensin inhibition for the treatment of diabetic nephropathy.

最終更新日:2013年12月18日

タイトル

ACE阻害薬とARBを併用してもARB単剤と比較して糖尿病腎症進展・死亡リスクに差がない

著者

Fried LF, et al

掲載誌

N Engl J Med. 2013;369:1892-903.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者): 顕性蛋白尿を合併した2型糖尿病患者(全1448人・男性99%・平均年齢65歳・平均HbA1c 7.8%,尿中アルブミン中央値 約850mg/gCrea,平均eGFR 54) 
I(治療):ロサルタンとリシノプリルの併用
C(比較対照):ロサルタンとプラセボの併用
O(アウトカム):腎症進展に差があるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:2.2年(中央値);有害事象の早期中止

結果

ACE阻害薬とARBの併用により,ARB単剤と比較して高K血症・急性腎障害が有意に高まった.
1次エンドポイント(eGFR低下・ESRD・死亡)に有意差は認めなかった.
アウトカムARB単剤ACE阻害薬と
ARBの併用
相対リスク絶対リスク差
腎症進展・死亡 21% 18.20% 0.88 (0.70~1.12)
高K血症 4.40% 9.80% 2.8 (1.8~4.3) 5.40%
急性腎障害 11.00% 18.00% 1.7 (1.3~2.2) 7.00%

コメント

腎症なしまたは微量アルブミン尿合併の2型糖尿病患者を対象としたONTARGET試験では,ACE阻害薬とARBにより高K血症の危険性が増すことが示された.本試験では,中等度以上の腎症を合併した場合でも臨床アウトカムには有意差を認めず,さらに有害事象(高K血症・急性腎障害)の有意な増加を認めた.臨床的ベネフィットよりもリスクが上回るため,ACE阻害薬・ARB・アリスキレン(*)によるレニン-アンギオテンシン系の二重阻害は避けるべきであろう.

備考

*http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=489

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