トップページ > 医師・医療スタッフの方へ > EBM論文情報
Sodium-glucose cotransporter 2 inhibitors for type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis.
最終更新日:2014年2月25日
タイトル
SGLT2阻害薬は2型糖尿病の短期的なアウトカムと改善する可能性がある
著者
Vasilakou D, et al.
掲載誌
Ann Intern Med. 2013;159:262-74.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者): 2型糖尿病患者
I(介入): SGLT2阻害薬投与
C(比較対照):他の血糖降下薬またはプラセボ投与
O(アウトカム):血糖・血圧・体重変化に差異があるか?
I(介入): SGLT2阻害薬投与
C(比較対照):他の血糖降下薬またはプラセボ投与
O(アウトカム):血糖・血圧・体重変化に差異があるか?
研究方法
デザイン:メタアナリシス(無作為化比較試験・プラセボ対照45件[11232人]・他血糖降下薬対照13件[5175人])
追跡期間:4週~52週
追跡期間:4週~52週
結果
SGLT2阻害薬群は,対照群と比較し,血糖・血圧・体重とも低下度が大きかった.
尿路感染症(OR1.42 [CI 1.06-1.90])・性器感染症(OR5.06 [CI 3.44-7.45])は有意に高かったが低血糖リスクは有意差を認めなかった.大血管症・死亡率については結論づけられなかった.
尿路感染症(OR1.42 [CI 1.06-1.90])・性器感染症(OR5.06 [CI 3.44-7.45])は有意に高かったが低血糖リスクは有意差を認めなかった.大血管症・死亡率については結論づけられなかった.
アウトカム(差) | 対プラセボ | 対他血糖降下薬 |
---|---|---|
HbA1c(%) | -0.66 (-0.73~-0.58) | -0.06 (-0.18~0.05) |
減量(kg) | -1.74 (-2.03~-1.45) | -1.80 (-3.50~-0.11) |
収縮期血圧(mmHg) | -3.77 (-4.65~-2.90) | -4.55 (-5.73~-3.18) |
コメント
新規糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬の臨床的効果が注目されている.特に,血糖コントロールの改善や低血糖リスクの低さが期待されているが,本解析はその可能性に合致する.
本研究は無作為化比較試験のメタアナリシスであり,ガイドライン上ではエビデンスレベル最高位に位置づけられるが,下記の点で妥当性は疑わしい.
本研究は無作為化比較試験のメタアナリシスであり,ガイドライン上ではエビデンスレベル最高位に位置づけられるが,下記の点で妥当性は疑わしい.
・欠損値の対処としてper-protocol解析や last observation carried forward (LOCF) による代入法が施行されているためバイアスが大きい(model-based法が望ましい*)
・長期的効果と安全性が不明である.
備考
* N Engl J Med 367;1353,2012, Ann Intern Med 159;285,2013