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Increased risk of cognitive impairment in patients with diabetes is associated with metformin.

最終更新日:2013年11月29日

タイトル

メトホルミン服用者は認知症リスクが高い可能性がある

著者

Moore EM, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2013;36:2981-7.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者): 高齢2型糖尿病患者(オーストラリア人・全104人・男性41%・平均年齢74歳) 
I(治療):メトホルミン服用
C(比較対照):メトホルミン非服用
O(アウトカム):認知症リスクに差はあるか?

研究方法

デザイン:横断研究(非糖尿病者1250人も含む)
盲検化:なし

結果

糖尿病患者全体は非糖尿病者と比較して認知症リスクが有意に高かった(調整OR1.51).メトホルミン服用者のMini Mental State Examinationの平均スコアは非服用患者より有意に低かった(22.8±5.5 vs 24.7±4.4).糖尿病患者においてメトホルミン服用者の認知症リスクは非服用糖尿病患者より有意に高値であった(調整OR2.23)が,ビタミンB12を含む調整後は有意差は認めなかった.
調整オッズ比(95%CI, p値)ビタミンB12で未調整ビタミンB12を含む調整後
糖尿病患者 vs 非患者 1.51 (1.03-2.21, 0.033) 1.49 (1.02-2.19, 0.039)
メトホルミン服用者 vs 非服用糖尿病患者 2.23 (1.05-4.75, 0.037) 1.75 (0.81-3.78, 0.158)
カルシウムサプリ服用者 vs 非服用者 0.47 (0.22-1.02, 0.056) 0.41 (0.19-0.92, 0.030)

コメント

高血糖により認知症リスクが増大する可能性が指摘されているが,本研究でも同様の結果を認めた.メトホルミンは遠位回腸においてキュビリン受 容体を抑制することによりビタミンB12の吸収を阻害する.プラセボ対照の無作為化比較試験ではプラセボ群と比較し,メトホルミン群では平均ビタミン B12値は19%有意に低下し,ビタミンB12欠乏症の絶対リスクは7.2%有意に増加した.さらにメトホルミンはβ-secretaseの発現を増強さ せる可能性がある.その結果認知症のリスクが増加することが予測されるが,本研究でメトホルミン服用者の認知症リスクは非服用糖尿病患者より有意に高値で あり,ビタミンB12を含む調整後にはリスクが消失したことはこの仮説に合致する.
しかしこの研究をもとに因果関係を立証することはできない.そもそも横断研究なので時間的前後が不明である.また,服用期間・血糖コントロール・他剤比 較が不明であり,未調整交絡因子が多数残存する(特に,選択バイアスの一つであるconfounding by treatment indicationの可能性).さらに,他の臨床報告はリスク増減の点で一致していない.現時点での認知症に関するエビデンスは限定的であり,良好な血 糖コントロールによる確立したベネフィットを優先した治療が望ましい.
なお,興味深いことに,カルシウム補充によりビタミンB12吸収阻害は軽減されることが報告されており,本研究でカルシウムサプリ服用者と非服用者で認 知症リスクに有意差がなかったことから,メトホルミンによる認知症リスクはカルシウムサプリ服用で低下する可能性が示唆された.この点も今後の研究が待ち 望まれる.

備考

コメント赤字部にハイパーリンクとして埋め込んでください 
http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=490

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