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Randomized, placebo-controlled comparison of amitriptyline, duloxetine, and pregabalin in patients with chronic diabetic peripheral neuropathic pain: impact on pain, polysomnographic sleep, daytime functioning, and quality of life.
最終更新日:2013年8月29日
タイトル
アミトリプチリン・デュロキセチン・プレガバリンは有痛性糖尿病神経障害に対し同等の疼痛緩和効果がある
著者
Boyle J, et al.
掲載誌
Diabetes Care. 2012;35:2451-8(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):有痛性糖尿病神経障害を持つイギリス人(83人・平均年齢65歳・男性69%・1型13%・平均HbA1c 7.9%)
I(治療):アミトリプチリン(28人:50mg/日x14日→75mg/日x14日)・デュロキセチン(28人:60mg/日x14日→120mg/日x14日)・プレガバリン(27人:300mg/日x14日→600mg/日x14日)
C(比較対照):プラセボ(8日間のrun-in)
O(アウトカム):Brief Pain Inventory (BPI)による疼痛スコアに3剤間で差があるか?
I(治療):アミトリプチリン(28人:50mg/日x14日→75mg/日x14日)・デュロキセチン(28人:60mg/日x14日→120mg/日x14日)・プレガバリン(27人:300mg/日x14日→600mg/日x14日)
C(比較対照):プラセボ(8日間のrun-in)
O(アウトカム):Brief Pain Inventory (BPI)による疼痛スコアに3剤間で差があるか?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:上記,治療遂行率78%
盲検化:あり
追跡期間:上記,治療遂行率78%
結果
各剤ともプラセボと比較しBPIスコアが低下し,その低下度に3剤間で有意差がなかった.
2次エンドポイントとして,プレガバリンは睡眠継続時間が改善したがデュロキセチンは覚醒が増え睡眠時間が減少した.
有害事象としてはプレガバリンによる倦怠感・めまい・眠気が認められた.
2次エンドポイントとして,プレガバリンは睡眠継続時間が改善したがデュロキセチンは覚醒が増え睡眠時間が減少した.
有害事象としてはプレガバリンによる倦怠感・めまい・眠気が認められた.
BPIスコア(SE) | プレガバリン | デュロキセチン | アミトリプチリン |
---|---|---|---|
プラセボ | 3.1 (0.4) | 3.4 (0.5) | 3.5 (0.4) |
低用量 | 2.3 (0.4) | 2.5 (0.4) | 2.7 (0.4) |
高用量 | 2.4 (0.4) | 2.2 (0.4) | 2.6 (0.4) |
コメント
この研究は対象者数は少ないものの,有痛性糖尿病神経障害に対する有効性が実証されている3剤を同時比較した点で斬新である.
疼痛緩和の点では3剤間に有意差がなかったが,2次エンドポイントで差異を認めている.
2次エンドポイントはあくまでもオマケであることを念頭に,3剤の使い分けの際の参考資料とすることができよう.
疼痛緩和の点では3剤間に有意差がなかったが,2次エンドポイントで差異を認めている.
2次エンドポイントはあくまでもオマケであることを念頭に,3剤の使い分けの際の参考資料とすることができよう.
備考
サキサグリプチンとの併用可能薬については「糖尿病標準診療マニュアル」を参照 http://www.ncgm-dmic.jp/doc/diabetes_treatment_manual.pdf