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Canagliflozin Compared With Sitagliptin for Patients With Type 2 Diabetes Who Do Not Have Adequate Glycemic Control With Metformin Plus Sulfonylurea: A 52-week randomized trial.
最終更新日:2013年8月8日
タイトル
カナグリフロジンはシタグリプチンより血糖コントロール改善・体重減少において優れる可能性がある
著者
Schernthaner G, et al.
掲載誌
Diabetes Care. 2013 Apr 5. [Epub ahead of print](PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):メトホルミンとSU薬服用中の2型糖尿病患者(755人・平均年齢57歳・男性56%・平均HbA1c 8.1%・平均BMI32)
I(治療):カナグリフロジン追加投与(300mg/日)
C(比較対照):シタグリプチン追加投与(100mg/日)
O(アウトカム):血糖コントロールに差があるか?
I(治療):カナグリフロジン追加投与(300mg/日)
C(比較対照):シタグリプチン追加投与(100mg/日)
O(アウトカム):血糖コントロールに差があるか?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験(第3相試験)
盲検化:あり
追跡期間:52週,治療遂行率61%
盲検化:あり
追跡期間:52週,治療遂行率61%
結果
追加薬としては,カナグリフロジンはシタグリプチンより血糖コントロール改善・体重減少において優れる可能性が示された.
有害事象全般・低血糖は両群で同等であったが,外陰部真菌感染症や浸透圧利尿はカナグリフロジン追加群のほうが頻度が高かった.
有害事象全般・低血糖は両群で同等であったが,外陰部真菌感染症や浸透圧利尿はカナグリフロジン追加群のほうが頻度が高かった.
アウトカム | カナグリフロジン | シタグリプチン | 差(最小二乗平均値) | 信頼区間 またはp値 |
---|---|---|---|---|
HbA1c変化(%) | -1.03 | -0.66 | -0.37 | CI: -0.50~-0.25 |
体重変化(kg) | -2.3 | 0.1 | -2.4 | p<0.001 |
コメント
新薬であるSGLT2阻害薬(アメリカではカナグリフロジンのみ承認済み)とDPP-4阻害薬を追加薬として直接比較した点で斬新である.両剤とも低血糖リスクが小さく,体重増加も来しにくいためこの研究の臨床的意義はありそうである.しかし,以下の点でこの研究は妥当性が非常に低く,結果を相当に割り引いて解釈する必要がある.
・著者9人のうち5人がカナグリフロジンの製薬会社員である(所属・COI・役割・研究資金源は記載されている)
・データレビューや研究遂行にもカナグリフロジンの製薬会社員が関与している(謝辞に記載)
・中断率が非常に高い
・長期的アウトカム不明
・著者9人のうち5人がカナグリフロジンの製薬会社員である(所属・COI・役割・研究資金源は記載されている)
・データレビューや研究遂行にもカナグリフロジンの製薬会社員が関与している(謝辞に記載)
・中断率が非常に高い
・長期的アウトカム不明
備考
サキサグリプチンとの併用可能薬については「糖尿病標準診療マニュアル」を参照 http://www.ncgm-dmic.jp/doc/diabetes_treatment_manual.pdf