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Strategies for multivessel revascularization in patients with diabetes.

最終更新日:2013年11月15日

タイトル

冠動脈多枝病変の糖尿病患者では冠動脈バイパス術の方が経皮的冠動脈形成術よりも死亡率・心筋梗塞再発率が低い

著者

Farkouh ME, et al.

掲載誌

N Engl J Med. 2012;367:2375-84(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):冠動脈多枝病変の糖尿病患者(多国籍1900人・平均年齢63歳・男性72%・平均HbA1c 7.8%・3枝病変患者83%)
I(治療):冠動脈バイパス術(CABG)
C(比較対照):経皮的冠動脈形成術(PCI)およびdrug-elutingステント(DES)留置
O(アウトカム):複合エンドポイント(全死亡・心筋梗塞・非致死性脳卒中)に差があるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:3.8年(中央値),追跡率95%,割り当て治療遂行率96%

結果

複合イベント発生率はPCI群よりCABG群の方が低かった.総死亡・心筋梗塞はそれぞれCABG群の方が低かったが(各p<0.001,p=0.049),脳卒中はPCI群の方が低かった(p=0.03).大量出血の合併症発生率は両群間で有意差がなかった.
アウトカムCABG群PCI群相対リスク低下/5年(p値)絶対リスク低下/5年
総死亡・心筋梗塞・非致死性脳卒中 18.70% 26.60% 0.7 (0.005) 6.90%
総死亡 10.90% 16.30% 0.67 (0.049) 5.40%

コメント

1990年代後半に発表されたBARIスタディ(*)ではCABGの方がPTCAより多枝病変の糖尿病患者の予後改善の点で優れていることが示唆された.その後DES留置を併用するPCIが登場し普及したが,CABGとの成績比較研究はなかった.本研究はこの点で臨床的意義が大きい.ただし症状やQOLの変化が不明である
今後の課題として,本研究ではPCI/DES群では抗血小板治療としてアスピリンとクロピドグレルが最低12ヶ月併用投与されたが,適正な併用投与期間について現在進行中の臨床試験の結果が待たれる.

備考

(*) Circulation 1997;96:1761

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