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Effects of Carbohydrate Counting on Glucose Control and Quality of Life Over 24 Weeks in Adult Patients With Type 1 Diabetes on Continuous Subcutaneous Insulin Infusion: A randomized, prospective clinical trial (GIOCAR).

最終更新日:2011年7月4日

タイトル

カーボカウントは持続皮下インスリン注入療法中の1型糖尿病患者においてQOL改善と減量に有効である

著者

Laurenzi A, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2011;34:823-7(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):持続皮下インスリン注入療法中の1型糖尿病患者(イタリア人・平均年齢41歳・男性57%・平均HbA1c8.0%・BMI中央値23.8・腹囲中央値81.5cm)
I(治療):カーボカウントによるインスリン投与量調節実:30人
C(比較対照):従来インスリン投与量調節:31人
O(アウトカム):血糖コントロール・体重・QOLに差がでるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:24週・追跡率100%・中断率18%(両群同等)・カーボカウント実行率約80%

結果

減量・食事関連QOLはカーボカウント群が有意に優れていたが,HbA1cは両群間に有意差を認めなかった.
カーボカウント遵守者ではHbA1cの有意な低下が示唆された.低血糖頻度は両群間に有意差がなかった.
アウトカム
(中央値[四分位範囲])
カーボカウント法従来法p値
QOLスコア
(食事制限)
5.5
(0.5~8.5)
0
(-2~3.5)
0.008
BMI -0.32
(-0.65~0)
0.15
(0~0.40)
0.003
腹囲 -1cm
(-2~0)
0cm
(0~2)
0.002

コメント

カーボカウント(carbohydrate couting:摂取炭水化物量に応じてインスリン投与量を調節する)は1960年代に考案され主に1型糖尿病で普及してきているが,現在までその有効性を実証するエビデンスは稀少であった.特に持続皮下インスリン注入療法(CSII)使用者での有効性と安全性を検証した点で本研究は斬新であり臨床的意義がある.
本結果は研究デザイン上,以下の点に留意し,割り引いて解釈する必要がある.
(1)追跡期間が短く,長期的な効果が不明,
(2)治療中断率が高い,
(3)カーボカウント実行は容易でなく,CSII使用中のモチベーションの高い人でさえ遵守率が低い,
(4)食事摂取量や運動量を測定していないため,このような交絡因子の関与が否定できない.

備考

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