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Olmesartan for the delay or prevention of microalbuminuria in type 2 diabetes.
最終更新日:2011年7月4日
タイトル
オルメサルタンは2型糖尿病の微量アルブミン尿出現を抑制する可能性がある
著者
Haller H, et al.
掲載誌
N Engl J Med. 2011;364:907-17.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):欧州の尿中アルブミン量正常2型糖尿病患者(4447人・平均年齢58歳・男性46%・平均HbA1c 7.7%)
I(治療):オルメサルタン40-100mg/日(2232人)
C(比較対照):プラセボ(2215人)
O(アウトカム):微量アルブミン尿の出現は遅延するか?
I(治療):オルメサルタン40-100mg/日(2232人)
C(比較対照):プラセボ(2215人)
O(アウトカム):微量アルブミン尿の出現は遅延するか?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:3.2年(平均値),追跡率98%,治療中断率32%
盲検化:あり
追跡期間:3.2年(平均値),追跡率98%,治療中断率32%
結果
オルメサルタン群とプラセボ群の血圧到達値はそれぞれ125.7/74.3mmHg, 128.7/76.2mmHgであった.
オルメサルタンは微量アルブミン尿出現率を有意に低下させたが経過中の血圧を調整解析すると有意差がなかった.
有害事象としては心血管死のリスクが有意に増加した.
オルメサルタンは微量アルブミン尿出現率を有意に低下させたが経過中の血圧を調整解析すると有意差がなかった.
有害事象としては心血管死のリスクが有意に増加した.
アウトカム | オルメサルタン群 | プラセボ群 | 相対リスク (95%信頼区間/p値) | 絶対リスク差 |
---|---|---|---|---|
微量アルブミン尿 | 8.20% | 9.80% | 0.77 (0.63~0.94/p=0.01) |
1.60% |
微量アルブミン尿 (経過中の収縮期血圧にて調整) |
0.83 (0.68~1.02/p=0.08) |
有意差なし | ||
心血管死 | 0.70% | 0.10% | 4.94 (1.43~17.06/p=0.01) |
0.60% |
コメント
この研究は,糖尿病腎症予防介入研究として臨床的意義が大きい.オルメサルタンの予防的投与により微量アルブミン尿出現までの期間は有意に遅延したが,以下の点に留意し過大評価に注意する必要がある.
(1)経過中の血圧にて調整した解析結果では有意差がなかったことから,腎症発症予防効果はオルメサルタンそのものの効果ではなく血圧低下による効果の可能性がある(*),
(2)微量アルブミン尿出現までの期間が評価されており,尿中アルブミン量や腎不全発症率は不明である(本研究では追跡期間が短く腎不全の発症は認めていない),
(3)オルメサルタンによる心血管死の増加リスクも無視できない(後付け解析では心血管疾患既往があったり血圧値が低値であったり血圧低下率が大きかったりした場合にリスクが特に大きいことが示唆されている).(
4)治療中断率が高い.
(1)経過中の血圧にて調整した解析結果では有意差がなかったことから,腎症発症予防効果はオルメサルタンそのものの効果ではなく血圧低下による効果の可能性がある(*),
(2)微量アルブミン尿出現までの期間が評価されており,尿中アルブミン量や腎不全発症率は不明である(本研究では追跡期間が短く腎不全の発症は認めていない),
(3)オルメサルタンによる心血管死の増加リスクも無視できない(後付け解析では心血管疾患既往があったり血圧値が低値であったり血圧低下率が大きかったりした場合にリスクが特に大きいことが示唆されている).(
4)治療中断率が高い.
備考
(*)同様結果のエビデンスあり