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Effects of alpha-lipoic Acid on body weight in obese subjects.
最終更新日:2012年5月30日
タイトル
α-リポ酸(チオクト酸)は減量効果がある
著者
Koh EH, et al.
掲載誌
Am J Med. 2011;124:85.e1-8.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):韓国の肥満者 (総数360人・平均年齢41歳・男性66%・平均BMI33.2)
I(条件):α-リポ酸(1200mg/日,1800mg/日)投与(各120人)
C(比較対照):プラセボ投与(120人)
O(アウトカム):減量効果の差は?
I(条件):α-リポ酸(1200mg/日,1800mg/日)投与(各120人)
C(比較対照):プラセボ投与(120人)
O(アウトカム):減量効果の差は?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:20週間・追跡率92%・治療中断率37%
盲検化:あり
追跡期間:20週間・追跡率92%・治療中断率37%
結果
4週間のカロリー制限(基礎量から600kcal/日削減)後に治験が開始された.
α-リポ酸(1800mg/日)群はプラセボ群より体重減少が有意に大きかった.
糖尿病患者(総数98人・平均HbA1c 7.2%)ではより大きな減量効果と血糖コントロールの改善が示唆された.
副作用としては皮膚掻痒感が約10%の頻度であった.
α-リポ酸(1800mg/日)群はプラセボ群より体重減少が有意に大きかった.
糖尿病患者(総数98人・平均HbA1c 7.2%)ではより大きな減量効果と血糖コントロールの改善が示唆された.
副作用としては皮膚掻痒感が約10%の頻度であった.
アウトカム | プラセボ | α-リポ酸 1200mg/日 | α-リポ酸 1800mg/日 | p値 |
---|---|---|---|---|
体重変化(全体) | -0.86 (0.38)% | -1.18 (0.28)% | -2.08 (0.35)%* | *<0.05 vs プラセボ |
体重変化 (糖尿病患者) |
0.50 (0.32)% | -1.00 (0.54)% | -2.60 (0.72)%* | *<0.05 vs プラセボ |
HbA1c (糖尿病患者) |
0.45% | -0.12% | -0.40%* |
コメント
α-リポ酸は抗酸化作用をもち,海外で糖尿病神経障害症状緩和薬として使用されている(通常投与量600mg/日).
本研究は韓国人を対象としているため,日本人への適用性も高いことが予想される.
この研究結果を評価する際は下記の問題点を考慮し,割り引いて解釈する必要がある.
(1)カロリー制限食と併用することで始めて効果が出た可能性がある,
(2)追跡期間が20週間で短い,治療中断率が各群とも高率である.
本研究は韓国人を対象としているため,日本人への適用性も高いことが予想される.
この研究結果を評価する際は下記の問題点を考慮し,割り引いて解釈する必要がある.
(1)カロリー制限食と併用することで始めて効果が出た可能性がある,
(2)追跡期間が20週間で短い,治療中断率が各群とも高率である.
備考
(*)同様結果のエビデンスあり