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Effect of dapagliflozin in patients with type 2 diabetes who have inadequate glycaemic control with metformin: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

ダパグリフロジン(選択的ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害薬)のメトホルミンへの追加投与により血糖コントロールは改善する

著者

Bailey CJ, et al.

掲載誌

Lancet. 2010;375:2223-33.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者): メトホルミン服用中でコントロール不良の2型糖尿病患者(多国籍・男性53%・平均年齢54歳・平均HbA1c約 8.1%)
I(治療):ダパグリフロジン2.5mg(137人)/5mg(137人)/10mg(135人)投与
C(比較対照):プラセボ(137人)
O(アウトカム):HbA1c低下度は?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:24週・追跡率97%・治療中断率12%(各群同程度)・534人をFAS解析

結果

ダパグリフロジン各群の方がプラセボ群よりHbA1cと体重が有意に低下した.低血糖や重症有害事象の頻度は同等であった.性器感染症はダパグリフロジン群の方が多かった.
アウトカムプラセボダパグリフロジン2.5mgダパグリフロジン5mgダパグリフロジン10mg
HbA1c低下度(95%信頼区間,プラセボ群との比較p値 -0.30% (-0.44~-0.16) -0.67% (-0.81~-0.53, p=0.0002) -0.70% (-0.85~-0.56, p<0.0001) -0.84% (-0.98~-0.70, p<0.0001)
体重 -0.9kg (-1.4~-0.4) -2.2kg (-2.7~-1.8) -3.0kg (-3.5~-2.6) -2.9kg (-3.3~-2.4)
性器感染症 5% 8% 13% 9%

コメント

ダパグリフロジンはナトリウム-グルコース共輸送体-2を選択的に阻害することで腎での糖再吸収を抑制し血糖値を低下させる.その作用はインスリンとは独立しており,高血糖による糖毒性や血管合併症を予防する効果が期待されている.
この無作為化比較試験ではプラセボと比較し,用量依存的に有意にHbA1c低下効果があることが認められた.また,体重減少効果も認めた.ただし,投与 期間が短いこと,血管合併症や死亡低下効果が不明であること,感染症が増加したことが限界点であるため,長期的な臨床研究が切望される.なお,ダパグリフ ロジン単剤投与でも同等の効果を認めている(*).

備考

(*) Ferrannini E, et al. Dapagliflozin monotherapy in type 2 diabetic patients with inadequate glycemic control by diet and exercise: a randomized, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Diabetes Care. 2010;33:2217-24.

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