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Pravastatin reduces the risk for cardiovascular disease in Japanese hypercholesterolemic patients with impaired fasting glucose or diabetes: diabetes subanalysis of the Management of Elevated Cholesterol in the Primary Prevention Group of Adult Japanese (MEGA) Study.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

プラバスタチンは糖尿病患者・耐糖能障害者の心血管イベントを低下させる可能性がある(日本人対象)

著者

Tajima N, et al.

掲載誌

Atherosclerosis. 2008;199:455-62.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):心血管疾患既往のない日本の2型糖尿病患者および耐糖能障害者(平均年齢59歳・男性41%・平均LDL-C 156mg/dl153mg/dl)
I(治療):プラバスタチン10~20mg/日投与(3866人)
C(比較対照):食事療法のみ(3966人)
O(アウトカム):心血管イベントのリスクは低下するか?(一次予防)

研究方法

デザイン:無作為化比較試験(MEGAスタディのサブグループ解析)
盲検化:なし
追跡期間:平均5年

結果

132人が心血管疾患を発症した。プラバスタチン投与群では発症率が32%が低下する可能性が示唆された。糖尿病患者では有意差を認めなかった。死亡率の低下は認めなかった。
アウトカムプラバスタチン群食事療法群ハザード比95%信頼区間
心血管疾患 10.7/1000人年 16.5/1000人年 0.68 0.48~0.96
死亡 3.9/1000人年 5.7/1000人年 0.73 0.41~1.29

コメント

この分析は後付け解析(=後出しジャンケン)でありバイアスが非常に大きく妥当性が低いため大きく割り引いて解釈する必要がある。さらに、有意差を捻出するために糖尿病患者と耐糖能障害者をあえて合併した印象が強い(糖尿病患者では有意差なし)。また、abstract部にはNumber needed to treat(1件のイベントを予防するために治療が必要となる人数)42人と記載されているが、これは投与期間を5年とした場合であり本文もよく読まなければならない。この数自体は心血管疾患予防の観点からは比較的低値(予防効果が大きい)と一般に解釈されるが、仮説探求にすぎないことに気をつける。

備考

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