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10-year follow-up of intensive glucose control in type 2 diabetes.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

UKPDSでの強化療法による糖尿病合併症リスク低下効果は、UKPDS終了後10年間も継続した(1)

著者

Holman RR, et al.

掲載誌

N Engl J Med. 2008;359:1577-89.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):イギリスの2型糖尿病新規診断肥満患者(UKPDS(*)後観察開始時平均年齢64歳・男性46%)
I(治療):UKPDSにおけるメトホルミンによる強化療法群(279人)
C(比較対照):UKPDSにおける従来療法群(309人)
O(アウトカム):UKPDS終了後、両群同様の治療にて糖尿病合併症発症率に差が出るか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験(UKPDS)後の観察研究(78%が参加)
盲検化:なし
追跡期間:10年・追跡率49%

結果

10年間の観察期間中、血糖コントロールと体重に両群間で有意差を認めなかった。UKPDS終了時に認めたメトホルミン強化療法による糖尿病関連エンドポイント・心筋梗塞・総死亡の有意な低下はUKPDS終了後10年間持続した。
アウトカムUKPDS
メトホルミン群
UKPDS
従来療法群
相対リスク低下
(95%信頼区間)
絶対リスク低下
糖尿病関連
エンドポイント
45.70% 53.90% 0.79 (0.66~0.95) 8.20%
心筋梗塞 14.80% 21.10% 0.67 (0.51~0.89) 6.30%
総死亡 25.90% 33.10% 0.73 (0.59~0.89) 7.20%

コメント

新規発症の肥満2型糖尿病患者を対象としたUKPDSではメトホルミンによる厳格な血糖コントロールの結果、糖尿病関連エンドポイント・心筋梗塞・総死亡が有意に低下した。
しかも、絶体リスク差も比較的大きい。大血管症や総死亡を介入研究で有意に減少させた糖尿病治療薬はメトホルミンだけであるが、このメトホルミンによる早期からの厳格な血糖管理の効果は、介入終了後に対照群も同様の治療を受けたにもかかわらず持続した。
このことから、特に肥満者糖尿病患者ではメトホルミンの早期投与開始が臨床的効果の上で妥当であると示唆された。
ただし、この研究は観察研究であり、バイアスの入る余地が大きい。また、脱落も高率であり妥当性は一層低くなるため、割り引いて解釈する必要がある。

備考

(*)Lancet. 1998;352:854-65.

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