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Effects of treatments for symptoms of painful diabetic neuropathy: systematic review.
最終更新日:2011年2月8日
タイトル
三環系抗うつ薬・抗てんかん薬が有痛性糖尿病神経障害の治療に有効である
著者
Wong MC, et al.
掲載誌
BMJ.2007;335:87.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者): 有痛性糖尿病神経障害あり
I(治療):三環系抗うつ薬または抗てんかん薬投与
C(比較対照):プラセボ乙よ
O(アウトカム):疼痛は軽減するか?(50%以上または中等度以上の軽減)
I(治療):三環系抗うつ薬または抗てんかん薬投与
C(比較対照):プラセボ乙よ
O(アウトカム):疼痛は軽減するか?(50%以上または中等度以上の軽減)
研究方法
デザイン:メタアナリシス
盲検化:あり
追跡期間:2-16週間
盲検化:あり
追跡期間:2-16週間
結果
三環系抗うつ薬または抗てんかん薬とも有意に症状改善を認めた。その他、capsaicinクリーム(日本では未承認)や麻薬も有効であった。
治療薬 | 研究数(患者数) | 症状改善/治療薬 | 症状改善/プラゼボ | 相対的効果増加率(95%信頼区間) |
---|---|---|---|---|
三環系抗うつ薬 | 3 (122) | 43% | 3.30% | 1211% (403~2162) |
抗てんかん薬(古典的) | 3 (111) | 43% | 13% | 245% (61~457) |
抗てんかん薬(新世代) | 4 (623) | 46% | 21% | 122% (80~165) |
コメント
メタアナリシスに含まれている各研究は追跡期間が短くサンプル数も少ないことからバイアスが大きいことが予測される。バイアスが大きく妥当性が低い研究のメタアナリシスは割り引いて解釈することが重要である。しかし、現時点では妥当な研究がなく、薬剤比較試験もないため、best available evidenceとして三環系抗うつ薬または抗てんかん薬を優先選択薬とすることは臨床上適切であろう。
備考
両者とも保険適応はないが抗けいれん薬は認められることがある。