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Effects of prandial versus fasting glycemia on cardiovascular outcomes in type 2 diabetes: the HEART2D trial.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

食後高血糖を低下させても空腹時高血糖を低下させても心血管イベントのリスクに有意差がない

著者

Raz I, et al.

掲載誌

Diabetes Care.2009;32:381-6.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):21日以内に心筋梗塞を発症した2型糖尿病患者(平均年齢61歳・男性64%・平均HbA1c8.3%)
I(治療):超速効型インスリン各食前投与(目標食後2時間血糖値<135ミリグラム/デシリットル・557人)
C(比較対照):中間型または持効型インスリン投与(目標空腹時血糖値<120ミリグラム/デシリットル・558人)
O(アウトカム):心血管イベントは減少するか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:963日(平均値)

結果

超速効型インスリンによる食後血糖低下群と中間型・持効型インスリンによる空腹時血糖低下群で有意差を認めなかった。両者の平均HbA1cにも有意差がなかった。
アウトカム要素超速効型インスリン群中間型・持効型インスリン群ハザード比95%信頼区間/p値
心血管イベント 31.20% 32.40% 0.98 0.8から1.21
Hb平均A1c 7.70% 7.80% - p=0.4

コメント

食後高血糖は欧米でもアジアでも心血管イベントのリスクファクターとして疫学的に認められており、空腹時高血糖よりもインパクトが大きいとの報告もある。この研究では高リスク患者に対し、インスリンを使用して食後血糖値低下と空腹時血糖値低下のどちらが心血管イベント抑制に有効か比較した。達成HbA1cは両群で同等であり、食後高血糖と空腹時高血糖の治療効果比較の妥当性は高い。結果は、疫学調査からの推論に反し、有意差を認めなかった。観察データと介入データは必ずしも合致しない好例である。現時点では豊富なエビデンスに基づきHbA1cを治療目標エンドポイントとして優先するのが妥当であろう。

備考

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