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Renin angiotensin aldosterone system blockade and renal disease in patients with type 2 diabetes. An Asian perspective from the RENAAL Study.
最終更新日:2011年2月8日
タイトル
ロサルタンはアジア人(日本人を含む)の糖尿病腎症進展を抑制する可能性がある
著者
Chan JC, et al.
掲載誌
Diabetes Care. 2004;27:874-9.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):糖尿病腎症を合併したアジア人(252人・うち日本人96人・尿中アルブミン-クレアチニン比≧300mg/g・平均GFR38ml/min・平均年齢60歳・男性69%)
I(治療):ロサルタン50-100mg/日(117人)
C(比較対照):プラセボ(135人)
O(アウトカム):腎症進展・死亡は減少するか?
I(治療):ロサルタン50-100mg/日(117人)
C(比較対照):プラセボ(135人)
O(アウトカム):腎症進展・死亡は減少するか?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験
盲検化:あり
追跡期間:3.2年(平均値)
盲検化:あり
追跡期間:3.2年(平均値)
結果
ロサルタンは複合エンドポイント(血清クレアチニン値倍増・末期腎不全・総死亡)のリスクを低下させた(相対リスク0.65 [95%信頼区間0.45~0.93]・p=0.020)。
アウトカム要素 | ロサルタン群 | プラセボ群 | 相対リスク | 95%信頼区間/p値 |
---|---|---|---|---|
血清クレアチニン値倍増 | 41.90% | 54.80% | 0.74 | 0.48~1.01/p=0.167 |
末期腎不全 | 18.80% | 27.40% | 0.62 | 0.37~1.06/p=0.079 |
総死亡 | 14.50% | 15.60% | 0.9 | 0.57~1.39/p=0.599 |
コメント
この研究は1513人を対象としたRENAAL(*)の後付けサブグループ解析である。RENAALは妥当性の高い研究ではあるが、後付け解析では妥当性が低くなるためその分差し引いて読む必要がある。解析結果で有意差を認めているがこれは「アジア人でもロサルタンは腎症進展抑制する」という仮説の実証ではなく、「可能性が示唆された」という仮説提唱と解釈する。複合エンドポイントの各要素は有意差を認めていないが、これは標本数不足のための検出力低下によるものと考えられる。さらに、2次エンドポイントである心血管イベントは有意な低下を認めなかったが、2次エンドポイントは所詮オマケであることを考慮し、大幅に割り引いて読む。
備考
(*)Effects of losartan on renal and cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes and nephropathy.RENAAL Study Investigators.N Engl J Med. 2001;345:861-9.