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Liraglutide versus sitagliptin for patients with type 2 diabetes who did not have adequate glycaemic control with metformin: a 26-week, randomised, parallel-group, open-label trial.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

リラグルチドはシタグリプチンよりもメトホルミンへの追加薬として血糖降下に優れている

著者

1860-LIRA-DPP-4 Study Group.

掲載誌

Lancet. 2010;375:1447-56.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):メトホルミン単剤で血糖管理不良な2型糖尿病患者
(平均HbA1c 8.4%・平均年齢55歳・男性53%)
I(治療):リラグルチド皮下注射追加(1.2mg/日225人または1.8mg/日221人)
C(比較対照):シタグリプチン追加(100mg/日219人)
O(アウトカム):血糖管理に差があるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:26週・追跡率:83%

結果

リラグルチドの方がシタグリプチンよりも血糖降下に有意に優れていたが吐き気の出現は多かった。低血糖のリスクは最小限だった。
アウトカムリラグルチド 1.2mg/日リラグルチド 1.8mg/日シタグリプチン 100mg/日p値(リラグルチド各用量 vs シタグリプチン)
HbA1c変化 -1.24%(95%信頼区間 -1.37~-1.11) -1.50%(95%信頼区間 -1.63~-1.37) -0.90%(95%信頼区間 -1.03~-0.77) <0.0001
体重変化 -2.86kg(95%信頼区間 -3.39~-2.84) -3.38kg(95%信頼区間 -3.91~-2.84) -0.96kg(95%信頼区間 -1.50~-0.42) <0.0001
吐き気 21% 27% 5% -
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コメント

低血糖や体重増加を来しにくい特長を持つ新薬2剤の比較試験である。HbA1cという代理エンドポイントや体重低下というアウトカムではリラグルチドの方が有意に優れていたが副作用が若干多かった。また、皮下注射というデメリットも伴う。さらに、研究期間がわずか26週であるため長期的な効果は未知数であることから、現段階では一概にリラグルチドの臨床的優越性は結論しがたい。なお、研究デザイン上は妥当性は高いがこの論文作成には研究スポンサーであるリラグルチド製造企業員も関与しており、大きく差し引いて批判的に読むことが重要である。

備考

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