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Association between iron deficiency and A1C Levels among adults without diabetes in the National Health and Nutrition Examination Survey, 1999-2006.

最終更新日:2015年6月5日

タイトル

非糖尿病者のHbA1c値は鉄欠乏状態の影響を受ける

著者

Kim C, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2010;33:780-5.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(対象者):アメリカの糖尿病者(総数10535人,18歳以上,女性63%)
I(条件):鉄欠乏状態(赤血球プロトポルフィリン> 70μg/dl、フェリチン≦15μg/L、トランスフェリン<16%の3つの項目のうちいずれか2つ以上を満たす)
C(比較対照):非鉄欠乏状態
O(アウトカム):HbA1c分布に関連はあるか?

研究方法

デザイン:横断研究

結果

女性6666名のうち、1150名は鉄欠乏状態にあり、そのうち30%の女性が貧血であった。男性3869名のうち、75名が鉄欠乏状態にあり、そのうち33%の男性が貧血であった。鉄欠乏状態のある女性の中で、316名がHbA1c≧5.5%、32名がHbA1c≧6.5%であった。鉄欠乏状態にある男性の中で、13名がHbA1c≧5.5%、1名のみがHbA1c≧6.5%であった。
 女性では、年齢、人種、民族、ウエスト周囲径、出産回数、子宮切除の因子での調整前後のいずれも鉄欠乏状態はHbA1c≧5.5%のオッズの増加と相関した。男性では、調整後のHbA1c≧5.5%のオッズに有意差が認められなかった。女性ではHbA1c≧6.5%のオッズは、対象者は少ないが有意差は認められなかった。HbA1c≧6.5%の鉄欠乏状態のある男性は1人だけであり、今回は解析を行うことは出来なかった。
オッズ比(95%信頼区間)女性 HbA1c≧5.5%女性 HbA1c≧6.5%男性 HbA1c≧5.5%
未調整 1.17(0.95?1.43) 0.82(0.37?1.80) 2.34(1.26?4.33)
調整後 1.33(1.05?1.67) 0.78(0.32?1.90) 対象外

コメント

最も一般的な栄養障害である鉄欠乏状態は、HbA1c値を上昇させる可能性が示唆された。HbA1cは糖尿病の診断基準にも用いられる指標であるが、様々な因子によって影響を受けるため、その評価には注意が必要と考えられる。糖尿病患者のデータ解析も切望される。

備考

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