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Fructosamine and glycated albumin for risk stratification and prediction of incident diabetes and microvascular complications: a prospective cohort analysis of the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study.
最終更新日:2014年8月7日
タイトル
グリコアルブミンは糖尿病リスク・細小血管症リスクの評価に役立つ可能性がある
著者
Selvin E, et al.
掲載誌
Lancet Diabetes Endocrinol. 2014;2:279-88.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(対象者):アメリカ人成人(総数12306人,糖尿病958人,女性57%,平均HbA1c 5.7%, 平均GA 13.4%)
I(条件):HbA1c, グリコアルブミン(GA)をそれぞれ年齢・性別・BMI等に基づいたモデルに付加
C(比較対照):HbA1c, GAを不使用
O(アウトカム):糖尿病リスク・細小血管症リスク予測が向上するか?
I(条件):HbA1c, グリコアルブミン(GA)をそれぞれ年齢・性別・BMI等に基づいたモデルに付加
C(比較対照):HbA1c, GAを不使用
O(アウトカム):糖尿病リスク・細小血管症リスク予測が向上するか?
研究方法
デザイン:後ろ向きコホートスタディ(モデル化)
追跡率:100%, 追跡期間18年(中央値)
追跡率:100%, 追跡期間18年(中央値)
結果
糖尿病リスク・網膜症リスク・腎症リスクは各マーカー追加評価により予測性能が向上したがHbA1cの方が予測能が概して高かった.HbA1c,GA高値群での各アウトカムのハザード比は同程度であった.全般的に,フクルトサミンもGAと同等の性能であった.
C-statistics変化 | HbA1c | GA |
---|---|---|
糖尿病発症 | 0.0838 (p<0.0001) | 0.0279 (p<0.0001) |
網膜症 | 0.0948 (p<0.0001) | 0.0994 (p<0.0001) |
腎症 | 0.0324 (p<0.001) | 0.0228 (p<0.001) |
コメント
GAはHbA1cの代用として日常診療で慣習的に測定されることが少なくないが,その妥当性や有用性については実証されていない.本研究は大規模コホート研究で究明した点で臨床的に意義がある.ただし,後ろ向き研究であること,他コホートでの一般性証明がまだないこと,re-classification分析がされていないことから妥当性は高くはなく,この報告だけでGA測定を標準化することはできない.糖尿病患者を対象とした介入後の適正目標値などの究明が切望される.なお,1型糖尿病対象の分析でもHbA1cとGAは網膜症・腎症のリスクと関連し,HbA1cは大血管症とも関連することが示唆されている(*).
備考
*Diabetes 2014;63:282