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Screening for type 2 diabetes and population mortality over 10 years (ADDITION-Cambridge): a cluster-randomised controlled trial.

最終更新日:2013年3月4日

タイトル

検診(1回)による糖尿病スクリーニングを施行しても生命予後は変わらない

著者

Simmons RK,, et al.

掲載誌

Lancet. 2012 Oct 3. doi:pii: S0140-6736(12)61422-6. 10.1016/S0140-6736(12)61422-6. [Epub ahead of print](PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):2型糖尿病高リスク者(イギリス人,総数20184人,男性64%,平均年齢58歳,平均HbA1c7.0%,心筋梗塞既往6%,平均BMI31)
I(条件):検診(1回)で糖尿病スクリーニング実施し,診療開始(16047人)
C(比較対照):糖尿病検診なし(4137人)
O(アウトカム):生命予後が変化するか?

研究方法

デザイン:クラスター無作為化比較試験(pragmatic trial)
盲検化:あり(アウトカム評価者)
追跡期間:中央値9.6年間,受診率73%

結果

検診施行群と無検診群の間に,総死亡・心血管疾患死・癌死・糖尿病関連死とも有意差を認めなかった.
アウトカム検診群(16047人)無検診群(4137人)ハザード比信頼区間
総死亡 1532 377 1.06 0.90から1.25
心血管疾患死 482 124 1.02 0.75から1.38
癌死 697 169 1.08 0.90から1.30

コメント

糖尿病のスクリーニング基準や時期に関する妥当性の高い研究はほとんどないため,この研究は斬新で臨床的意義が大きい.予後や診療方針を変えないような不要な検査の見直しにも役立つ.ただし,この研究のエンドポイントは死亡だけであり糖尿病合併症やQOLに関しては究明されていないこと,スクリーニングが1回だけであること,検診受診率が高くないことなどから,本結果を最終結論とするのは尚早である.特に検診に関しては再検査による見落としの減少(感度の上昇),受診率・診療アドヒアレンスの向上がアウトカムに重要であるため,これらの点の改善法についての研究も必要であろう.

備考

本研先行分析(*)では,糖尿病の早期発見・早期多面的介入による糖尿病大血管症抑制は無効であることが示された.(*)http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=505

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