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Effects of Diet Soda on Gut Hormones in Youths With Diabetes

最終更新日:2012年12月11日

タイトル

ノンカロリーソーダの飲用は消化管ホルモンの分泌に影響する

著者

Brown RJ, et al

掲載誌

Diabetes Care. 2012;35:959-64.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者): 若年糖尿病患者(2型10人・1型9人・男性21%・平均年齢18歳・平均HbA1c1型8.2%・2型7.4%)および健常者25人(男性52%・平均年齢19歳)
I(治療):75gOGTT施行10分前にノンカロリーソーダ240ミリリットル飲用
C(比較対照):同量の炭酸水飲用
O(アウトカム):消化管ホルモンの分泌に差があるか?

研究方法

デザイン:無作為化クロスオーバー試験
盲検化:なし

結果

75gOGTT検査の血糖値とCペプチドの推移について,1型糖尿病患者,2型糖尿病患者でわずかにノンカロリーソーダが炭酸水よりも血糖値が高い傾向は見られたが,AUCでの差は認められなかった.GLP-1の推移については,健常者ではノンカロリーソーダが炭酸水と比較してAUCが34%高く(P=0.029),1型糖尿病患者ではノンカロリーソーダが炭酸水と比較してAUCが43%高かった(P=0.020).2型糖尿病患者では差が見られなかった(P=0.92).
各グループ間で比較すると,特にノンカロリーソーダによるGLP-1分泌の影響は1型糖尿病患者と2型糖尿病患者で有意差が見られた(P=0.004).1型糖尿病患者と健常者,2型糖尿病患者と健常者では有意差はなかった.
GIPとペプチドYYについては,ノンカロリーソーダと炭酸水では3グループともAUCの差は認められなかった.

75gOGTTの結果
(ノンカロリーソーダ vs 炭酸水, *有意差あり)
健常者1型糖尿病2型糖尿病
GLP-1 AUC (pmol/L・180min) 90 vs 1039* 3157 vs 2205* 2240 vs 2201
GIP AUC (pg/mL・180min) 21626 vs 21917 37953 vs 34324 34554 vs 34347
ペプチドYY AUC (pg/mL・180min) 16818 vs 16750 20284 vs 21521 16428 vs 15834

コメント

インクレチン製剤は新しい糖尿病治療薬として広まりつつあり,満腹感の増強,グルカゴン分泌の抑制,インスリン分泌の増加など多くの生理的作用を持つことが2型糖尿病,肥満患者において多数報告されている.しかしながら,1型糖尿病,2型糖尿病患者におけるインクレチンの分泌の差異については不明な点も多い.今回の研究は,人工甘味料が消化管ホルモンに与える影響を健常者,1型糖尿病,2型糖尿病患者で比較しており,臨床的に興味深い研究である.しかし,内因性のGLP-1分泌の変化が果たして臨床的にどのような影響があるのかについて究明されていないため,将来的に更なる究明が期待される

備考

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