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Metformin and Exercise in Type 2 Diabetes: examining treatment modality interactions.
最終更新日:2012年8月20日
タイトル
メトホルミンと運動療法は相互影響する可能性がある
著者
Boule NG, , et al
掲載誌
Diabetes Care. 2011;34:1469-74.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):無投薬の2型糖尿病患者(カナダ人・全10人・男性80%・平均年齢58歳・平均HbA1c 6.5%)
I(治療):メトホルミン2000ミリグラム/day投与±運動
C(比較対照):プラセボ投与±運動
O(アウトカム):メトホルミンと運動の相互作用はあるか?
I(治療):メトホルミン2000ミリグラム/day投与±運動
C(比較対照):プラセボ投与±運動
O(アウトカム):メトホルミンと運動の相互作用はあるか?
研究方法
デザイン:無作為化クロスオーバー試験(2x2要因デザイン)
盲検化:内服薬に対してあり
追跡期間:28日周期・追跡率100%
盲検化:内服薬に対してあり
追跡期間:28日周期・追跡率100%
結果
メトホルミンと運動の組み合わせについて,
- メトホルミン内服下では運動中に心拍数が上昇する
- 運動するとメトホルミンの血中濃度が上昇する
- 食事に対する血糖応答に関してメトホルミンと運動の相加的効果は見られないことが示された(相互作用 P = 0.05).
運動関連アウトカム | 酸素摂取率 | 呼吸商 | 心拍数 | 自覚的運動強度 |
---|---|---|---|---|
メトホルミン vs プラセボ | P=0.60 | P=0.03 | P=0.01 | P=0.03 |
運動強度:低 vs 中等度 vs 強 | P<0.01 td=""> | P<0.01 td=""> | P<0.01 td=""> | P<0.01 td=""> |
相互作用 | P=0.18 | P=0.38 | P=0.23 | P=0.62 |
コメント
メトホルミンは心血管イベントの抑制効果や癌発症予防効果など副次的薬理効果も明らかにされてきており,注目される経口血糖降下薬であるが,その作用機序の全容は明らかとなっていない.糖尿病の治療は食事療法,運動療法,さらに薬物療法が基本となるが、運動療法と薬物療法の相互作用については不明な点も多く,この論文はメトホルミンと運動の相互作用に関して示唆に富む内容となっている.一般的に、運動療法と薬物療法を組み合わせれば血糖コントロールは相加的に良くなると予想されるが,この論文の検討ではメトホルミンと運動の相加的効果は認めなかった.
ただし、症例数がわずか10例であるため,運動療法と薬物療法の相互作用およびその機序の究明には,より大規模な試験が必要である.
ただし、症例数がわずか10例であるため,運動療法と薬物療法の相互作用およびその機序の究明には,より大規模な試験が必要である.