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Separate and combined associations of body-mass index and abdominal adiposity with cardiovascular disease: collaborative analysis of 58 prospective studies.

最終更新日:2012年5月30日

タイトル

BMIや腹囲は心血管症疾患発症リスク予測に役立たない(日本人含む)

著者

Emerging Risk Factors Collaboration

掲載誌

Lancet. 2011;377:1085-95(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(対象者):先進国17カ国143710人
I(条件):BMI・腹囲・ウエスト/ヒップ比をそれぞれ収縮期血圧・糖尿病・脂質のデータに付加
C(比較対照):BMI・腹囲・ウエスト/ヒップ比を不使用
O(アウトカム):心血管疾患リスク予測が向上するか?

研究方法

デザイン:後ろ向きコホートスタディ
追跡率:100%

結果

各肥満度指標(単独)は心血管疾患リスクと正に関連していたが,収縮期血圧・糖尿病・脂質のデータへの付加価値はなかった.
検査特性BMI腹囲ウエスト/ヒップ比
調整ハザード比(/SD) 1.11(CI:1.05から1.17) 1.12(CI:1.06から1.19) 1.14(CI:1.09から1.18)
C-statistics変化 -0.0001(p=0.43) -0.0001(p=0.816) 0.0008 (p=0

コメント

肥満と心血管疾患のリスクには正の関連性があるが,交絡因子の影響を加味した研究は稀である.リスク予測因子としての有用性は,肥満指標単独のハザード比ではなく,高血圧・糖尿病・脂質異常のような確立したリスクファクターへの付加価値(C-statistics変化・再分類率変化)で評価するのが妥当である.日本人を含む本研究では各肥満指標のハザード比は有意ではあったが,付加価値はないことが示された(ウエスト/ヒップ比のC-statistics変化は有意であったが臨床的寄与度は微量).
近年,メタボリックシンドロームを心血管疾患に対する独立した疾患概念ととらえる意義に対する反証も蓄積してきている.肥満に関し,病態分析だけでなく臨床的究明が一層重要である.

備考

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