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Serum level of triglycerides is a potent risk factor comparable to LDL cholesterol for coronary heart disease in Japanese patients with type 2 diabetes: subanalysis of the Japan Diabetes Complications Study (JDCS).

最終更新日:2012年5月30日

タイトル

糖尿病患者での大血管症リスク評価にはLDL-C値と同等に中性脂肪値も有用である(日本人)

著者

Sone H, et al.

掲載誌

J Clin Endocrinol Metab. 2011;96:3448-56.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):冠動脈疾患既往のない日本人2型糖尿病患者(1771人・男性53%・平均年齢58.2歳・平均HbA1c8.0%)
I(条件):各種リスクファクターあり
C(比較対照):リスクファクターなし
O(アウトカム):大血管症発症の相対リスクはどのくらいか?

研究方法

デザイン:コホート研究
追跡期間:7.86年間(中央値)

結果

冠動脈疾患と脳卒中の罹患率は9.59/1000人年,7.45/1000人年であった.中性脂肪値はLDL-C値と同等に冠動脈疾患への寄与度が大きかった.HDL-C・HbA1cの寄与度は有意でなかった.脳卒中の有意なリスクファクターは年齢と高血圧だけだった.
調整ハザード比(95%信頼区間)per 1 SDLDL-C中性脂肪(log)HbA1c収縮期血圧
冠動脈疾患 1.49(1.25から1.77) 1.54(1.22から1.94) 1.20(1.00から1.45) 1.19(0.97から1.45)
脳卒中 1.00(0.79から1.26) 1.13(0.86から1.46) 1.14(0.92から1.42) 1.31(1.04から1.65)

コメント

近年,高中性脂肪血症が大血管症のリスクファクターとして注目されている.本研究は日本人糖尿病患者を対象とし,中性脂肪値のインパクトを探究した点で臨床的に興味深い.その寄与度はLDL-Cの寄与度と同等であることが示唆された.
研究デザイン上,解釈時に留意すべき点は,対象者が少なくバイアスが強い可能性がある点(通常のリスクファクターとなる低HDL-C血症の寄与度が有意でない)と中性脂肪低下薬投与による大血管症発症抑制効果は結論できない点である.なお,寄与度の大きさそのものは本研究ではハザード比で表され,p値は無関係である.

備考

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