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Low peripheral nerve conduction velocities and amplitudes are strongly related to diabetic microvascular complications in type 1 diabetes: the EURODIAB Prospective Complications Study.
最終更新日:2011年9月5日
タイトル
神経伝導速度・振幅は1型糖尿病の細小血管症の合併と関連性が高い
著者
Charles M, et al.
掲載誌
Diabetes Care. 2010;33:2648-53.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):1型糖尿病のヨーロッパ人(456人・平均年齢37歳・男性50%・平均HbA1c 8.2%・臨床的神経障害合併23%)
I(条件):細小血管症合併あり
C(比較対照):合併なし
O(アウトカム):神経伝導速度・振幅低下(第1三分位)のリスクは?
I(条件):細小血管症合併あり
C(比較対照):合併なし
O(アウトカム):神経伝導速度・振幅低下(第1三分位)のリスクは?
研究方法
デザイン:横断観察研究(コホート研究であるEURODIAB Studyの一部)
検査対象者総数:634人(尺骨・腓腹・腓骨神経の各データが完全にそろっていた456人を解析)
検査対象者総数:634人(尺骨・腓腹・腓骨神経の各データが完全にそろっていた456人を解析)
結果
微量アルブミン尿・非増殖性網膜症・臨床的神経障害の存在は神経伝導速度・振幅の低下と有意な関連性があったが,顕性腎症・大血管症の存在とは関連性がなかった.HbA1c2%増加ごとの神経伝導速度・振幅低下オッズ比はそれぞれ2.39(1.68から3.41), 2.47(1.72から3.54)であり,糖尿病罹患10年増加ごとの神経伝導速度・振幅低下オッズ比はそれぞれ3.09 (2.09から4.57), 3.01 (2.03から4.47)であった.
オッズ比 | 微量アルブミン尿 | 非増殖性網膜症 | HbA1c2%増加ごと | 糖尿病罹患10年増加ごと |
---|---|---|---|---|
神経伝導速度低下 | 2.25(1.15から4.40) | 2.30(1.13から4.67) | 2.39(1.68から3.41) | 3.09(2.09から4.57) |
神経伝導振幅低下 | 2.29(1.12から4.66) | 2.29(1.15から4.58) | 2.47(1.72から3.54) | 3.01(2.03から4.47) |
コメント
測定法が標準化されたこの大規模研究で,1型糖尿病の細小血管症は無症状でも同時に合併・進行し,細小血管症の病態生理の共通性が示唆された.ただし,データ欠損率が高率であるため妥当性は若干低下し,さらに横断研究であるため他の要因の関与は評価できない.
臨床上は,神経伝達検査は神経障害の診断だけでなく,他の細小血管症合併リスク評価にも活用することが期待できよう.
臨床上は,神経伝達検査は神経障害の診断だけでなく,他の細小血管症合併リスク評価にも活用することが期待できよう.