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Conventional versus automated measurement of blood pressure in primary care patients with systolic hypertension: randomised parallel design controlled trial.

最終更新日:2011年5月6日

タイトル

診察室自動血圧計により白衣性高血圧は有意に軽減する

著者

Myers MG, et al.

掲載誌

BMJ. 2011 Feb 7;342:d286. doi: 10.1136/bmj.d286.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):合併症のないカナダの収縮期高血圧患者(プライマリケア外来通院の555人・男性38%・平均年齢65歳)
I(介入):自動血圧計(完全自動5回計測・医療者不在の診察室にて)使用
C(比較対照):従来の手動血圧計使用
O(アウトカム):起床時家庭血圧(24時間自動血圧計使用)との差は?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験(診療所単位にクラスター化)
盲検化:なし
追跡期間:再診時まで(詳細不明),追跡率100%,治療中断率1%

結果

両群とも再診時には血圧が有意に低下したが,自動血圧計の方が低下幅が有意に大きかった.また,自動血圧計の方が起床時家庭血圧との差が有意に小さく相関係数も高かった.
血圧介入直前介入後起床時家庭血圧との差(介入後)起床時家庭血圧との相関係数(介入後)
自動血圧計群 149.5(10.8)/81.4(8.3) 135.6(17.3)/77.7(10.9) -2.3(-0.31から-4.3)/-3.3(-2.2から-4.4) 0.34/0.56*
手動血圧計群 149.9(10.7)/81.8(8.5) 141.4(14.6)/80.2(9.5) -6.5(-4.3から-8.6)/-4.3(-2.9から-5.8) 0.22/0.30
有意差   両群とも有意差あり 両群とも有意差あり *有意差あり

コメント

いわゆる白衣性高血圧の影響で,診察室での血圧は家庭での値よりも高値であることが多く日本の高血圧治療ガイドラインでは収縮期圧・拡張期圧とも後者は5mmHg低値に設定されている.本研究は完全自動血圧測定により白衣性の影響が有意に軽減し,家庭血圧と比較した正確度も向上することが実証された.家庭血圧の方が心血管イベントの予測性が高く,白衣性向血圧への不要な投薬を防ぐためにも自動血圧測定器の活用が期待される.
この研究は妥当性が高いが,一般性・実用性に関しては制約が少なくない.まず,コンプライアンスが高く合併症のない外来高血圧患者のみを対象としているため,他の患者層での結果が不明である.次に,一般市販されている他の自動血圧計の正確度・精度は不明である.さらに,北米での標準的診察室(完全個室・静寂空間にて安静可)での血圧測定であるため,日本の外来環境では同様の効果が得られるか非常に疑わしい.この研究をもとに手動血圧計の意義を否定することはできないが,白衣性高血圧の究明と対処の点で臨床的意義は大きいであろう.

備考

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