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Does carotid intima-media thickness regression predict reduction of cardiovascular events? A meta-analysis of 41 randomized trials.

最終更新日:2015年11月2日

タイトル

治療後の頸動脈内膜中膜厚(CIMT)退縮は大血管症リスク減少の指標とはならない(日本人を含む)

著者

Costanzo P, et al.

掲載誌

J Am Coll Cardiol. 2010;56:2006-20.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):大血管症予防(一次・二次)介入被験者(18307人)
I(検査):実薬
C(比較対照):プラセボまたは対照薬
O(アウトカム):CIMT退縮度と大血管症リスク減少率の相関は?

研究方法

デザイン:メタアナリシス(前向き41研究:一次予防26解析・二次予防17解析、日本人対象2件)
追跡期間:1から4年間

結果

大血管症・死亡のリスクは低下したが、CIMT退縮度(平均値・最大値)との関連性はいずれも有意ではなかった(τは相関度の指標)。患者基礎特徴による影響はなかった。

評価項目冠動脈疾患脳血管障害総死亡
発症オッズ比(95%信頼区間,p値) 0.82 (0.69から0.96,p=0.02) 0.71 (0.51から1.00,p=0.05) 0.71 (0.53から0.96,p=0.03)
相関τ(p値) 0.91 (p=0.37) -0.32 (p=0.74) -0.41 (p=0.69)

コメント

CIMTは脳血管障害だけでなく全身の動脈硬化性疾患のリスク評価に有用である。しかし治療マーカーとしての有用性やCIMTに基づく治療の有効性に関しては不明点が多い。このメタアナリシスは、各研究の追跡期間が比較的短いという限界はあるものの治療マーカーとしてのCIMTの有用性の低さを示している。これは血糖(HbA1c)は死亡リスクのマーカーとして有用だが治療後のマーカーとしては必ずしも有効性がない(ACCORDでは厳格な血糖管理により死亡増加が報告された)ことと類似している。
理論には限界があることを再認識し、CIMT測定の適用を見直すべきであろう。

備考

糖尿病患者においても同様の結果が報告された。Diabetes Care 2015;38:1921.

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