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Renal insufficiency in the absence of albuminuria and retinopathy among adults with type 2 diabetes mellitus.

最終更新日:2011年2月8日

タイトル

糖尿病での腎機能低下は糖尿病腎症以外が原因であることが多い

著者

Kramer HJ, et al.

掲載誌

JAMA. 2003;289:3273-7.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):アメリカの2型糖尿病患者(総1197人・平均年齢61歳・男性48%)で腎機能低下(推算GFR<60ml/min/1.73m2)を認める人(171人)
I(条件):糖尿病腎症以外による腎機能低下(微量アルブミン尿・顕性タンパク尿・糖尿病網膜症いずれも合併していない)
C(比較対照):古典的糖尿病腎症(上記合併あり)
O(アウトカム):両者の比率は?

研究方法

デザイン:横断研究(NHANES III対象者)

結果

糖尿病患者の腎機能低下では、糖尿病腎症以外の原因が30%であった。国民全体での推算有病率0.1%に該当する。
合併微量アルブミン尿顕性タンパク尿糖尿病網膜症いずれもなし
割合(%) 45 19 28 30
95%信頼区間 31から59 10から28 21から36 21から39

コメント

糖尿病腎症の特徴は糖尿病網膜症の存在とタンパク尿(微量アルブミン尿・顕性タンパク尿)とされており、スクリーニングや重症度の評価の上で尿タンパク定量が重視視されている。しかし、この分析から判明したように、糖尿病患者の腎機能障害はこのような古典的糖尿病腎症以外によるものが30%もあるため、眼底検査や尿タンパク定量だけでなく、24時間畜尿でのクレアチニンクリアランスや推算GFRもあわせて評価すべきである。なお、この推算を日本にそのまま当てはめると、古典的診断法では約13万人が見落とされることになる。

備考

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