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Factors associated with weight gain in people with type2 diabetes starting on insulin

最終更新日:2015年2月2日

タイトル

インスリン療法にともなう体重増加にはHbA1c・インスリン量・BMIが関与する

著者

Balkau B, et al.

掲載誌

Diabetes Care.2014;37:2108-13.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):インスリン治療を新規開始した2型糖尿病患者(総2179人日本を含む12カ国)
I(条件):インスリン開始12ヶ月後
C(比較対照):ベースライン
O(アウトカム):体重増加に関与する両時点での要因は何か?

研究方法

デザイン:コホート観察研究

結果

体重増加に関連したベースラインの因子としては、BMI、HbA1c、インスリン治療方式、インスリン量、そのほかの血糖降下療法の有無、高血圧などであった。1年後の追加因子としては、HbA1c、インスリン治療方法、インスリン量、そのほかの血糖降下療法の有無(ビグアナイド薬、SU薬など)などであった。多変量解析を行った結果では、インスリン開始前および1年後の体重増加と関連する因子は、ベースラインでのHbA1c高値、ベースラインまたは1年後のインスリン量が多いこと、ベースラインでのBMIが低いこと、であった。

開始前後の共通要因ベースラインでのA1C
log %ごと
ベースラインでの1日のインスリン量
log IU/kgごと
1年後の1日のインスリン量
log IU/kgごと
ベースラインのBMI
10.0 kg/m2ごと
β係数 3.397 0.415 1.143 −1.121
95% CI 2.379 ~ 4.414 0.062 ~ 0.768 0.783 ~ 1.504 –1.444 ~ –0.799
p値  <0.0001  0.021  <0.0001   <0.0001 

コメント

インスリン治療を開始すると一般的に体重増加があると言われており、患者さんの中でも更なる体重増加に対する不安からインスリン導入に難色を示す方もいる。医療者としても特に肥満患者である場合、インスリン治療を開始する際には慎重な判断が求められることが多い。

足りないインスリンを補充する生理的な治療をいう意味でも体重増加を回避するためにもインスリン治療の導入時期が遅れることは望ましくはなく、本研究から得られた結果をもとに、今後よりいっそう個々の患者にあった適切なインスリン製剤の使用、導入時期の検討が必要と考える。

本研究ではベースラインの体重の違いによって体重増加量の認識に違いが出てしまうこと、またコントロール不良の状況で、もともと減っていた体重がインスリン導入によって戻ってしまう可能性を考慮に入れていないことが限界点である。

備考

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