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Glycemic exposure and blood pressure influencing progression and remission of diabetic retinopathy: a longitudinal cohort study in GoDARTS.

最終更新日:2014年11月19日

タイトル

糖尿病網膜症の進展・軽快は血糖と血圧の影響を受ける可能性がある

著者

Liu Y, et al.

掲載誌

Diabetes Care. 2013;36:3979-84.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):2型糖尿病スコットランド人(総4758人,年齢35?歳)
I(条件):HbA1c, 血圧の変化
C(比較対照):ベースライン
O(アウトカム):網膜症の進展・軽快リスクはどのくらいか?

研究方法

デザイン:コホート研究(モデル化解析)
追跡期間:イベント発生までまたは最長16年間

結果

網膜症は、網膜症なし、軽度の非増殖網膜症(mild BDR)、顕性非増殖網膜症(observable BDR)、重度の非増殖/増殖網膜症(severe non-PDR/PDR)で分類した。全体で49959回の網膜検査が行われた。この研究の終了時に100人の患者がsevere non-PDR/PDRを発症した。
Mild BDRから網膜症なしへの軽快率とobservable BDRからmild-BDRへの軽快率は、網膜症進展率よりも有意に高かった(各2.0,4.2倍)。網膜症なし、mild BDR、observable BDR、severe non-PDR/PDR状態期間の期待値は12.6年、2.91年、0.37年、0.11年であった。最大フォローアップ期間(16年)で、網膜症がない患者から、mild BDR、observable BDR、severe non-PDR/PDRに進行するリスクは26%、4.3% 、2%と推算された。
1SD(1.4%)のHbA1cの増加は、網膜症なしからmild BDRへの進行を42%、mild BDRからobservable BDRへの進行を32%、observable BDRからsevere non-PDR/PDRへの進行を123%増加させた。逆に、 1SDのHbA1cのレベルの低下は、mild BDRから網膜症なしへの軽快を24%増加する可能性があったが、observable BDRからmild BDRへの軽快には関連しなかった。
1SD(10.41 mmHg)のDBP上昇により、mild BDRからobservable BDRを発症するリスクが87%上昇した。 SBPも網膜症がない状態から、mild BDRへの進行のための重要な危険因子であり、1SD(17.28 mmH)のSBP低下により網膜症なしへ軽快する可能性が20%増加していた。

コメント

この解析では網膜症進行において、初期の無症候期が安定していることと、網膜症軽快の可能性は高いことが示された。網膜症進行には高血糖が強く関連していた。また、DBPはmild BDRからobservable BDRへの進展と、SBPは網膜症なしからmild BDRへの進展に有意な影響があった。
これまでの研究でもHbA1cや血圧が網膜症進展の重要な危険因子であると支持されていたが、今回の研究でも2型糖尿病患者において網膜症進行と血圧の関連が示唆された。ただし、モデル化解析であるためその妥当性や一般性については限界が残る。

備考

*Annals of epidemiology. 2014;24:83-89

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