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Effectiveness of quality improvement strategies on the management of diabetes: a systematic review and meta-analysis.

最終更新日:2013年11月29日

タイトル

医療の質改善策の施行により糖尿病管理が改善する

著者

Tricco AC, et al.

掲載誌

Lancet. 2012;379:2252-61(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):糖尿病患者(総123529人)
I(介入):医療の質改善策の施行
C(比較対照):従来診療
O(アウトカム):血糖コントロールは改善するか?

研究方法

デザイン:メタアナリシス(無作為化比較試験総142件)
盲検化:なし
追跡期間:3から96ヶ月

結果

HbA1cは全体で0.37%有意に低下した.LDL-Cは4ミリグラム/デシリットル,血圧は3.13/1.55mmHgそれぞれ有意に低下した.アスピリン処方・降圧薬処方・網膜症スクリーニング・腎機能検査・足診察の実施率も有意に改善したが,スタチン処方・血圧管理・禁煙に関しては有意な効果を認めなかった.
アウトカム変化95%信頼区間
HbA1c(%) -0.37 -0.45から-0.28
LDL-C(ミリグラム/デシリットル) -4 -6から-2
血圧(mmHg) -2.019354839 -4.06から-2.19/-2.15から-0.95

コメント

医療チーム体制・患者教育・患者自己管理指導などによるEBMに則った医療の質改善策(詳細は本文参照)により糖尿病などの慢性疾患の管理が向上する可能性が提唱されているが,近年の報告では自己管理(*)・患者教育(**)の効果は一致していない.医療の質改善策導入による糖尿病患者の血糖コントロール改善効果を分析したシステマティックレビューやメタアナリシスは過去にあるが(***),本研究は脂質・血圧・検査なども包括的に分析した点で斬新である.このような方策が患者中心の包括的で有効的な診療体制構築につながることが期待される,
ただし,統計学的に有意差を認めても,医療の質改善策の内容や方法はバリエーションに富むため十把一絡げに評価することは臨床的に意義が乏しいかもしれない.

備考

*Diabetologia 2011;54:1620, Arch Intern Med 2004;164:1641
**Arch Intern Med 2011;171:1990,2001,2011
***JAMA 2006;296:427, CMAJ 2011;183:E115, Med Care Res Rev 2011;68:263

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