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Roux-en-Y gastric bypass vs intensive medical management for the control of type 2 diabetes, hypertension, and hyperlipidemia: the Diabetes Surgery Study randomized clinical trial.

最終更新日:2013年8月8日

タイトル

Roux-en-Y法による胃バイパス術は薬物療法よりも血糖・血圧・脂質コントロールに優れる

著者

Ikramuddin S, et al.

掲載誌

JAMA. 2013;309:2240-9.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):肥満2型糖尿病患者(アメリカ人・総人数120人・男性40%・平均年齢49歳・BMI 30.0-39.9・平均HbA1c 9.6%)
I(介入):Roux-en-Y法による胃バイパス術:60人
C(比較対照):強化薬物療法(減量薬物も含む):60人
O(アウトカム):血糖(HbA1c<7.0%)・血圧(SBP<130mmHg)・脂質(LDL-C<100ミリグラム/デシリットル)達成率に差異はあるか?

研究方法

デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:12ヶ月,追跡率95%

結果

外科療法群と薬物療法群の到達値は,HbA1c 6.3% vs 7.8%,SBP 115 vs 124mmHg, LDL-C 83 vs 89ミリグラム/デシリットルであった(LDL-C以外有意差あり).3項目目標達成者は外科療法群のほうが有意に高率であった(オッズ比4.8、CI 1.9-11.7).外科療法群は薬物療法群より薬剤量は平均3.0剤有意に少なく,減量率も有意に高値であった(26.0% vs 7.9%).回帰分析により,目標達成の主要因は減量であることが示唆された.外科療法群と薬物療法群では重篤有害事象がそれぞれ22件,15件発生した.
アウトカム薬物療法群外科療法群オッズ比(95%信頼区間)2群差
HbA1c<7.0%達成率 32% 75% 6.0 (2.6-13.9) 43%
SBP<130mmHg達成率 79% 84% 1.7 (0.9-4.6) 5%
LDL-C<100ミリグラム/デシリットル達成率 70% 79% 1.6 (0.7-3.8) 9%

コメント

胃バイパスによる減量術は,著明な減量だけでなく,特に血糖値などの代謝マーカーも改善することが示された.同時に発表されたメタアナリシスでは,BMI30-35の糖代謝異常者でも減量や血糖コントロールに関する有意な有効性が示されている(*).ただし外科療法に伴う重篤有害事象は少なくなく,5年以上の長期的なアウトカム(生命予後・血糖コントロール・血管合併症リスク)も不明である.本研究ではビタミンB欠乏・鉄欠乏・低アルブミン血症の増加が報告された.胃バイパス術の長期的効果の究明が切望される.

備考

*JAMA 2013;309:2250

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