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Comparative effectiveness of weight-loss interventions in clinical practice.
最終更新日:2013年11月15日
タイトル
減量には面接指導・遠隔(非対面)指導とも有効
著者
Appel LJ, et al.
掲載誌
N Engl J Med. 2011 Nov 24;365:1959-68.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):心血管疾患リスクのある肥満アメリカ人(総数415人,男性34%,平均年齢54歳,平均体重103キログラム,平均BMI36.6)
I(治療):面接(138人)または遠隔(電話やインターネット・メールなどの非対面法・139人)による減量指導
C(比較対照):自主的減量
O(アウトカム):減量効果はどのくらいか?
I(治療):面接(138人)または遠隔(電話やインターネット・メールなどの非対面法・139人)による減量指導
C(比較対照):自主的減量
O(アウトカム):減量効果はどのくらいか?
研究方法
デザイン:無作為化比較試験
盲検化:なし
追跡期間:24ヶ月,終了時体重記録率94.5%
盲検化:なし
追跡期間:24ヶ月,終了時体重記録率94.5%
結果
7ヶ月から24ヶ月における面接群の指導受講数は,全24回のうち2回(中央値)であった.同期間における遠隔群の電話受講数は全18回中16回(中央値)であった.面接群は遠隔群とほぼ同頻度に遠隔指導を受講していた.自主的減量群と比較し,両群とも有意に減量効果を認め,両群間に有意差はなかった.いずれの群でも著明な有害事象は認めなかった.
アウトカム | 面接群(p値vs対照群) | 遠隔群(p値vs対照群) | 対照群 |
---|---|---|---|
体重変化 | -5.1±0.8(<0.001) | -4.6±0.7(<0.001) | -0.8±0.6 |
5%以上の減量達成者 | 41.4%(<0.001) | 38.2%(<0.001) | 18.80% |
コメント
本研究は情報社会における新たな療養指導法を究明した点で臨床的意義が大きい.特に対面指導受講率の低さは現実を把握する上で注目に値する.対面指導施行法だけでなく,現状にかなったモバイル技術を活用した行動療法の効果が期待され,他の地域・職種・疾患での効果の一般性の確証が切望される.
備考
(*)Lancet. 2011;378:156-67. http://www.ncgm-dmic.jp/public/articleInfoDetail.do?articleInfoId=505