メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

トップページ > 医師・医療スタッフの方へ > EBM論文情報

Role of Intensive Glucose Control in Development of Renal End Points in Type 2 Diabetes Mellitus: Systematic Review and Meta-analysisIntensive Glucose Control in Type 2 Diabetes.

最終更新日:2012年7月10日

タイトル

厳格な血糖管理をしても腎機能の臨床アウトカムは改善しない

著者

Coca SG, et al.

掲載誌

Arch Intern Med. 2012;172:761-9.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):2型糖尿病患者
I(治療):強化血糖管理
C(比較対照):従来管理
O(アウトカム):糖尿病腎症(アルブミン尿・クレアチニン値・末期腎不全・腎疾患死)が低下するか?

研究方法

デザイン:メタアナリシス(無作為化比較試験7件・総数28065人)
追跡期間:2から15年間

結果

全体の罹患率は微量アルブミン尿23%・顕性アルブミン尿5%・血清クレアチニン倍増<4%・末期腎不全<1.5%・腎疾患死<0.5%であった.強化血糖管理により代用エンドポイント(微量アルブミン尿・顕性アルブミン尿)のリスクは有意に低下したが臨床エンドポイント(血清クレアチニン倍増・末期腎不全・腎疾患死)のリスクに有意差は認めなかった.
アウトカム強化管理群従来管理群リスク比99%信頼区間
微量アルブミン尿 21% 24% 0.86 0.76から0.96
顕性アルブミン尿 4.00% 5.50% 0.74 0.65から0.85
末期腎不全 1.20% 1.60% 0.69 0.46から1.05

コメント

高血糖は糖尿病腎症のリスクファクターであり,腎症の代用エンドポイント(アルブミン尿)は厳格な血糖管理によりリスク軽減することが本研究で確証された.しかし,臨床上重要である臨床エンドポイント(血清クレアチニン倍増・末期腎不全・腎疾患死)のリスクには有意差がなかった.後者の結果の原因として,追跡期間が短かったこと,罹患率が著明に低かったことなどが挙げられるが,代用エンドポイントと臨床エンドポイントは必ずしも一致しないことをあらためて見直すことも重要である.一方,ADVANCE(*)では末期腎不全リスクの有意な低下を認めているため,マーカーに固執した近視眼的なアプローチではなく,治療目標の個別化の重要性(**)も示唆される.

備考

*N Engl J Med 2008;358:2560
**N Engl J Med 2012;366:1319

このページに関するアンケート

Q1 あなたの年代を教えてください。
Q2 あなたの性別を教えてください。
Q3 あなたと「糖尿病」のかかわりを教えてください。
Q4 このページの情報は分かりやすかったですか?
Q5 このページに対するご意見をお聞かせください。

個人のご病気などについてのご質問やご連絡先などの個人情報に関するご記載はしないでください。こちらにご記載頂いた内容についてはご返答致しません。予めご了承ください。