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Feasibility study of a systematic approach for discontinuation of multiple medications in older adults: addressing polypharmacy.

最終更新日:2012年8月20日

タイトル

投薬を減らした方が高齢者の健康状態が改善する可能性がある

著者

Garfinkel D, et al.

掲載誌

Arch Intern Med. 2010;170:1648-54.(PubMedへリンクします。)

臨床問題

P(患者):イスラエルの外来通院高齢患者(総数70人・平均年齢83歳・男性39%)
I(介入):プロトコル(*)に則って処方薬を中止
C(比較対照):中止前
O(アウトカム):処方中止率・死亡率・疾患・健康状態変化は?

研究方法

デザイン:コホートスタディ
盲検化:なし
追跡期間:19ヶ月・追跡率:100%

結果

有病率の高い代表的疾患は高血圧(63%),認知症(57%),脂質異常症(36%),糖尿病(33%)であった.対象者は平均7.7剤処方されていた.プロトコル(*)により64人に対し311剤(全薬剤の58%,1人あたり4.4剤)の投与中止が推奨された.中止成功率は81%,処方再開率は2%であった.投薬中止後10人が死亡したが,死因や有害事象と薬剤中止に因果関係はなかった.健康状態の改善を報告した患者は88%であった.
アウトカム投与中止推奨薬剤投与中止成功薬剤健康状態改善者
n 311 252 56
58 81 88

コメント

投与薬剤を削減する目的のGood Palliative-Geriatric Practiceプロトコル(*)により,老人ホーム入居患者の処方薬数減少・死亡率低下・疾患改善に役立つことが示されている.本研究では同プロコトルの実現性が外来高齢患者を対象に検証され,不要薬中止の点で同等の有効性と安全性が示唆された.この研究は少人数対象であること,比較対照群がないこと,追跡期間が短いことから妥当性は高くはないが,ガイドラインの適用該当者層や「薬漬け」の適切性・弊害・QOLを根本的に見直す上で(**,***),臨床的意義が大きい.この研究を基とした大規模家介入研究が切望される.

備考

*Isr Med Assoc J. 2007;9:430 (RCT)
**N Engl J Med. 2011;365:2002
***JAMA. 2011;305:1591

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