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Faster self-reported speed of eating is related to higher body mass index in a nationwide survey of middle-aged women.
最終更新日:2012年12月11日
タイトル
早食いは肥満と相関する
著者
Leong SL, et al.
掲載誌
J Am Diet Assoc. 2011;111:1192-7.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者): 40から50歳ニュージーランド人女性(1589人・平均年齢46歳・平均BMI27.1・喫煙率19%)
I(条件):摂食速度(自己申告5段階)
C(比較対照):摂食速度最低群
O(アウトカム):BMIとの相関はあるか?
I(条件):摂食速度(自己申告5段階)
C(比較対照):摂食速度最低群
O(アウトカム):BMIとの相関はあるか?
研究方法
デザイン:横断研究
回答率:2500人中1589人(66%)
回答率:2500人中1589人(66%)
結果
摂食速度はBMIと有意な正の相関を認めた(各段階ごとにBMI+2.8%).そのほかに閉経が有意な正の相関,収入・喫煙・運動量が有意な負の相関を認めた.
因子 | 摂食速度(5段階) | 閉経 | 運動量 | 喫煙 |
---|---|---|---|---|
BMI変化率(%) | 2.81 | 2.87 | -13.6 | -2.94 |
95%信頼区間 | 1.50から4.13 | 0.44から5.36 | -17.29から-9.43 | -5.62から-0.17 |
コメント
摂食速度と肥満に関連があることは日本の観察研究でも示唆されていたがサンプリングバイアスや用量-反応分析の欠如などの欠点があった.本研究は全国レベル規模でありバイアスは比較的小さい.しかし横断研究であるため因果関係は究明できず介入効果も導出できない点や中年女性限定である点・自己申告に依存している点・回答率は高くない点等に気をつける.
咀嚼回数とエネルギー摂取量に負の関連があることが報告されており(*),食生活と肥満の因果や食事療法の効果についてのさらなる究明が切望される.
咀嚼回数とエネルギー摂取量に負の関連があることが報告されており(*),食生活と肥満の因果や食事療法の効果についてのさらなる究明が切望される.
備考
(*)Am J Clin Nutr doi:10.3945/ajcn.111.015164.