トップページ > 医師・医療スタッフの方へ > EBM論文情報
Magnesium intake and risk of type 2 diabetes: meta-analysis of prospective cohort studies.
最終更新日:2011年12月8日
タイトル
マグネシウム摂取により糖尿病発症リスクが低下する可能性がある(日本人を含むメタアナリシス)
著者
Dong JY, et al.
掲載誌
Diabetes Care. 2011;34:2116-22.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):非糖尿病患者
I(条件):マグネシウム摂取量最大群
C(比較対照):マグネシウム摂取量最小群
O(アウトカム):2型糖尿病発症率に違いがあるか?
I(条件):マグネシウム摂取量最大群
C(比較対照):マグネシウム摂取量最小群
O(アウトカム):2型糖尿病発症率に違いがあるか?
研究方法
デザイン:メタアナリシス(前向きコホート研究13件・全536318人)
盲検化:なし
追跡期間:3から20年間(平均5年間)
盲検化:なし
追跡期間:3から20年間(平均5年間)
結果
糖尿病発症者数は24516人であった。マグネシウム摂取量と糖尿病発症リスクは有意な負の相関にあった。さらに用量依存性も認め、摂取量100ミリグラム/日ごとにリスクは有意に低下した(相対リスク0.86、95%CI 0.82から0.86)。
アウトカム | 相対リスク | 95%信頼区間 | 相対リスク |
---|---|---|---|
2型糖尿病罹患リスク | 0.78 | 0.73から0.84 |
コメント
マグネシウムは穀物に多く含まれ、ブドウ糖代謝に関与しているが糖尿病発症に関する詳細な機序は不明である。本研究は幅広い人種・年齢を対象としている。日本人データとしては有意差がないものと有意にリスク低下を認めた報告が含まれている.
留意すべき点としては,1型糖尿病と2型糖尿病の鑑別がない点・最大摂取量と最小摂取量の範囲が研究によって異なる点・糖尿病診断が自己申告に基づいている研究も含まれている点である。また、観察研究に基づいているため、マグネシウム摂取量を増やせば糖尿病リスクが減少するという結論までは出せない。
留意すべき点としては,1型糖尿病と2型糖尿病の鑑別がない点・最大摂取量と最小摂取量の範囲が研究によって異なる点・糖尿病診断が自己申告に基づいている研究も含まれている点である。また、観察研究に基づいているため、マグネシウム摂取量を増やせば糖尿病リスクが減少するという結論までは出せない。
備考
*BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e486